2014 Fiscal Year Research-status Report
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26463406
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田淵 紀子 金沢大学, 保健学系, 教授 (70163657)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳児 / 泣き / 母親 / 育児困難感 / 育児支援 / プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳児を育児中の母親への育児支援プログラムの構築をめざした研究である。本研究では、母親が育児を困難に感じる一つの要因である“児の泣き”に着目している。これまでに行ってきた研究結果をベースに、母親がいつ頃、児の泣きに対して見極めができるようになるのか、泣きの見極め過程を明らかにし、適切に対処していけるようなガイドラインを作成し、ガイドラインを用いた介入プログラムの実施群と対照群での母親の育児困難感や情動反応の比較からプログラムの効果を検証することを目的としている。 本年度は、育児支援プログラム案の作成と調査の準備を行った。 1.母親へのガイドラインとしてのリーフレットの作成 リーフレットの内容には、以下のものを含めた。1)母親が最も泣きに困難感を示す時期と泣きの意味が分かるようになる時期(調査データをグラフ化) 2)児の泣き方の特徴やしぐさから泣きの理由を探るヒントになること 3)泣いた時の対処方法 等 これらの内容からは、母親が児の泣きに対して、2~3ヶ月頃までが、もっとも困難を感じることが多いこと、7~8ヶ月頃になると、泣きの意味が分かるようになることが示され、児の成長とともに困難感は減少し、泣きの意味が分かるようになるため、焦らないように促すとともに、母親自身が見通しがもてるようにイラストなどを入れ、分かりやすく工夫した。試作を繰り返し、完成形を作成した。 2.調査準備 妊娠中のデータ収集時期、産後のデータ集時期、測定用具の検討、ならびに介入時期、介入施設、対照施設の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入群に使用するリーフレット作りに時間を要したが、おおむね、調査に向けての準備が整ったと判断できるため
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Strategy for Future Research Activity |
プレテストを実施後、調査にとりかかる。プレテストには、現在妊娠中の数名の妊婦を選定している。介入群と対照群の施設は選定済みで、施設の許可が得られれば、調査の実施にとりかかれる状態である。
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Causes of Carryover |
育児支援プログラムの作成に、当初予定していた回数よりも少ない回数での検討でリーフレット作成が行えたことにより、人件費・謝金の金額が当初予定より減じることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プレテストを実施後、調査にとりかかるが、調査にかかわる印刷用紙等を厚手のカラー用紙等の物品購入に充てる。 1)対象の選定基準は、介入群、対照群ともに、児に異常が認められない正常に妊娠している初産婦50名ずつとする。 2)調査には、妊娠中にSTAI,ストレス対処能力(SOC),産後1ヶ月時、3~4か月、6~8ヶ月時、1年時に、泣きに対する育児困難感尺度(Tabuchi & Shimada, 2005),泣きに対する情動反応尺度(田淵他,2006)、SOC を測定する。
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