2016 Fiscal Year Research-status Report
侵襲性新生児GBS感染症予防のための母児感染予防ケアの開発と評価
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26463420
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
脇本 寛子 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (40336706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 久子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (00230285)
長谷川 忠男 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10314014)
佐藤 剛 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80326149)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護学 / 感染症 / 母子感染予防 / GBS / 薬剤感受性 / 血清型 / CovR/S / 面接調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,新生児GBS感染症予防のために,どのような予防策を受けた新生児が新生児GBS感染症を発症しているのか発症要因等を明らかにすることおよび新生児敗血症髄膜炎発症GBS株と非発症GBS株の微生物学的な異同を明らかにすること(第一研究),新生児GBS感染症予防のためのGBS保菌妊産褥婦へのケアを明らかにすること(第二研究)を目的としている. 今年度は,第一研究は,新たに研究協力施設4施設の新生児GBS感染症5症例の情報収集,発症率を算出するための施設属性に関する情報収集,研究対象者から検出されたGBS菌株1株の収集を行った.このGBS菌株の薬剤感受性はpenicillin系抗菌薬に感受性を示し,血清型はIII型, CovR/S変異はなかった.現在までに情報収集が完了した2012年~2014年に早発型および遅発型を発症した9例について解析し,中間報告として学会発表を行った.妊婦GBSスクリーニングは9例中6例が陰性であり,偽陰性が少なくなる対応が今後の課題と考えられた.遅発型と経母乳感染との関連が報告されているが,本研究でも2例に乳腺炎の症状がみられた.母の手指衛生,母乳の管理,乳腺炎の発症時の対応など母への保健指導が重要と考えられた.また,新生児GBS感染症発症児から検出されたGBS菌株9株を解析した.penicillin低感受性GBS菌株はなかったが,MIC(最小発育阻止濃度)は僅かの上昇を認めたため,今後の動向に注意を要すると考えられた.血清型はIII型6株,Ia型1株,Ib型1株,VI型1株であり,ワクチン導入ができれば重症例の発症予防に寄与できると考えられた.第二研究は,妊娠分娩産褥期に受けたGBSに関する説明・ケア・支援,GBS保菌していることで気がかりに思っていることなどについて,19組の面接調査を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一研究は,現在までに情報収集と解析が完了した症例の解析を進め,早発型および遅発型GBS感染症について中間報告として公表することができた.第二研究は,妊娠分娩産褥期に受けたGBSに関する説明・ケア・支援,GBS保菌していることで気がかりに思っていること等に関する面接調査を実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
第一研究は,引き続き症例の解析を進め,どのような新生児がGBS感染症を発症しているのかを明らかにする.更に,各施設における発症数および出生数から多施設による早発型・遅発型GBS感染症の発症頻度を明らかにする.第二研究は,面接調査を引き続き実施し,産褥期および新生児期の情報を収集する.面接内容を詳細に分析し,妊娠分娩産褥期に受けたGBSに関する説明・ケア・支援,GBS保菌していることで気がかりに思っていること等の現状を明らかにし,GBS保菌妊産褥婦への強化すべき保健指導やケア内容を明らかにする.
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Causes of Carryover |
第一研究の細菌学的解析において試薬を効率的に使用していることから次年度使用金が生じた.また,平成27年度途中から平成28年度途中まで産前産後の休暇および育児休業の取得に伴い研究を中断したため,次年度使用金が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も引き続き,第一研究の細菌学的解析は,試薬を効率的に使用する.次年度は,第一研究と第二研究共に,情報収集を完了し,解析を進め成果発表を行う.旅費は,学会での成果発表および最新の知見を得るための旅費(第91回日本感染症学会総会学術集会4月東京,第58回日本母性衛生学会総会学術集会10月神戸,第26回日本新生児看護学会学術集会10月大宮)に使用する予定である.その他として,学術集会参加費,研究協力施設への情報収集のための市内交通費,研究成果論文投稿料,研究対象者および研究補助者への謝礼に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)