2017 Fiscal Year Research-status Report
侵襲性新生児GBS感染症予防のための母児感染予防ケアの開発と評価
Project/Area Number |
26463420
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
脇本 寛子 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (40336706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 久子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (00230285)
長谷川 忠男 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10314014)
佐藤 剛 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80326149)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護学 / 感染症 / 母子感染予防 / GBS / 薬剤感受性 / 血清型 / CovR/S / 面接調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,新生児GBS感染症予防のために,どのような予防策を受けた新生児が新生児GBS感染症を発症しているのか発症要因等を明らかにすることおよび新生児敗血症髄膜炎発症GBS株と非発症GBS株の微生物学的な異同を明らかにすること(第一研究),新生児GBS感染症予防のためのGBS保菌妊産褥婦へのケアを明らかにすること(第二研究)を目的としている. 今年度は,第一研究は,5施設で2007年から2016年までに発症した早発型・遅発型GBS感染症発症児とその母体の情報収集を完了することができた.早発型14例,遅発型17例,院内出生は各々4例,発症率はいずれも0.10(出生千対)であった.発症時期をⅠ期(2007年~2008年)とⅡ期(2009年~2016年)に分け早発型の発症率を比較すると,Ⅱ期(0.03,出生千対)はⅠ期(0.42,出生千対)より有意に減少した(p = 0.02).早発型の母体GBSスクリーニングは77%(10/13)が陰性であった.遅発型は,Ⅰ期とⅡ期の発症率に差はなく,母体2例に乳腺炎がみられたが乳汁からGBS検出はなく感染経路は不明であった.早発型の減少は産婦人科診療ガイドラインの成果と考えられ,GBSスクリーニングの実施時期,採取部位,培養方法の適切な実施により,さらに予防できると考えられた.第二研究は,妊娠・分娩・産褥期に受けたGBSに関する説明・ケア・支援,GBS保菌していることで気がかりに思っていること,妊娠・分娩・産褥期において気を付けたこと,助産師などに対する要望について,半構成的面接調査を行い,20組の面接調査を完了することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一研究は,5施設で2007年から2016年までに発症した早発型・遅発型GBS感染症発症児とその母体の情報収集を完了することができた.発症時期をⅠ期(2007年~2008年)とⅡ期(2009年~2016年)に分け早発型の発症率を比較すると,Ⅱ期(0.03,出生千対)はⅠ期(0.42,出生千対)より有意に減少したことを明らかにすることができた.産婦人科診療ガイドライン導入後に早発型GBS感染症を減少させる効果を示した我が国での初めての報告である.しかし,本研究は限定された地域であることの限界があり,今後は,母集団のGBSスクリーニング実施状況と併せて,全国規模調査において詳細に検討する必要があると考える. 第二研究は,面接調査を完了することができ,妊娠期における現状と課題について公表することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
第一研究は,細菌学的解析(血清型,薬剤感受性,CovR/S)を詳細に行い,母児の属性とGBS微生物要因を合わせた解析を行う.第二研究は,情報収集を追加し,面接内容を詳細に分析する.妊娠分娩産褥期に受けたGBSに関する説明・ケア・支援,GBS保菌していることで気がかりに思っていること等の現状と課題を明らかにし,GBS保菌妊産褥婦への強化すべき保健指導やケア内容を明らかにする.第一研究,第二研究の結果を統合し,新生児GBS感染症予防のための母児感染予防ケアを明らかにする.
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Causes of Carryover |
補助事業の目的をより精緻に達成するため,補助事業期間延長を行い,次年度使用金が生じた.第一研究の細菌学的解析においては,試薬を効率的に使用していることから次年度使用金が生じた.次年度は、細菌学的解析を詳細に行うため,試薬代に計上する.第二研究においては,国際学会(2nd International Conference on Nursing Science & Practice on August 6-8, 2018, London, UK)で発表する.国際学会で得られた知見をもとに論文を作成し,投稿する.次年度は,国際学会旅費,英文校閲,研究成果論文投稿料,研究補助者への謝礼に使用する予定である.
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Research Products
(3 results)