2014 Fiscal Year Research-status Report
不適切な養育の家族に対応する小児看護師のための学習プログラムの作成とその効果測定
Project/Area Number |
26463437
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
鎌田 佳奈美 摂南大学, 看護学部, 教授 (30252703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 佐恵子 北里大学, 看護学部, 講師 (70422889)
池田 友美 摂南大学, 看護学部, 准教授 (70434959)
亀田 直子 摂南大学, 看護学部, 助教 (70737452)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 虐待予防 / 養育支援 / 小児看護師 / 学習支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医療機関において虐待あるいはその疑いのある家族(以下、不適切な養育の家族)に対し子育て支援ができるよう、子どもに関わる病棟および外来の看護師のための学習プログラムを作成し、その効果を測定することである。第一段階として、これまでの質問紙調査や面接調査により、看護師の学習ニーズを抽出し、それらをもとに学習プログラム試案を作成した。1医療機関の小児病棟および外来の看護師を対象に、学習プログラム試案を実施した。研究方法は、研究者が現場の人と協働で、特定の出来事に焦点を当て課題解決に向け、共に活動をすすめていくアクションリサーチに準じた手法を取り入れた。学習会開催前に、病棟の管理者や指導的立場にある看護師らとの詳細な打ち合わせを行い、1)現在直面している問題や課題を確認した。2)病棟の看護者に対し、不適切な養育の家族に対する支援の必要性や支援における困難の現状を把握するために質問紙調査を実施した。 3)1),2)の結果をもとに、協働学習会という形で学習プログラム試案の実施を計画した。4)学習内容について研究者がミニ講義を実施した後、関連した内容について、看護師が経験した困難事例や状況について話し合いを行った。学習会での看護師の発言・議論の内容はフィールドノートに記録、あるいはICレコーダに録音した。また、その場の病棟の状況、雰囲気、学習会後の看護師の言動や観察したことも記録した。5)話し合いでの疑問については、次回の学習会内容に加えた。6)全学習モデル実施終了後、看護師への質問紙調査を実施した。結果、学習会前後での看護師の認識に明らかな差は認められなかった。しかし、看護師の参加回数と認識の変化には正の相関関係が認められた。学習会での発言や議論の内容に関するフィールドノートや記録については、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では本年度はこれまでの研究成果から学習プログラム(試案)の作成すること、およびその実施をめざし、研究参加者、対象病棟を募る予定であった。研究者と対象病棟とのニーズが一致し、当初計画より学習プログラム(試案)を導入することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、平成26年度に実施した学習プログラムの評価を詳細に行う必要がある。学習会での発言や議論の内容に関するフィールドノートや記録について、研究者間で分析を行い、評価を行う。さらに、学習プログラム(試案)の課題を明確にするために、学習プログラムに参加した看護師4~5名を対象に面接調査を行う予定である。面接調査では、看護師自身の内面におこった変化、組織の雰囲気や変化、およびプログラム内容や方法についての課題などについて半構造化面接を行う。これらの結果から、改訂学習プログラムを検討する。
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Causes of Carryover |
分担研究者のうち2名が、勤務の都合で当初予定していた学会に参加できなかったため、旅費および学会参加費分の未使用分が生じた。また、資料整理のための臨時要員として適切な人が見つからず、2014年度は人件費を使用しなかった。、
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学習プログラム実践した評価として、複数名に面接調査の実施を予定しているため、資料整理のための人件費およびデータ起こしのための費用を要する。また、資料収集や研究成果発表のため、現段階で富山、広島、長崎、新潟での国内学会参加費および旅費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)