2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a pain assessment index aimed at improving the quality of pain management in elderly patients with dementia
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26463452
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
川村 三希子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (10405673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 悦子 日本医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00326612)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / 疼痛アセスメント / グラウンデッドセオリー / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症を伴う高齢がん患者の疼痛アセスメントのプロセスを明らかにすることを目的とした。研究デザインはグラウンデッド・セオリーアプローチ(才木2005,2010)を用い、ケア場面の参加観察と半構造的インタビューをデータとした。 【結果】 対象看護師は25名。女性24名、男性1名。臨床経験は平均19.4年であった.ケア観察が可能だったのは11名で参加観察の平均時間は18分,インタビューの平均時間は34分であった.認知症の診断がついている患者は20名、診断がない患者は5名であった。認知症の重症度は軽度2名,軽度から中等度3名,中等度7名、重度13名であった.分析の結果,看護師が認知症高齢がん患者に痛みがあると判断するまでのアセスメントプロセスは「表情」,「落ち着き」,「言語での苦痛表現」,「姿勢」,「機嫌」,「睡眠の質」というサインから【様子の違いを察知】することから始まり,「今までの状態」,「一般的な状態」,「チームの見解」,「サインの頻度,持続性」から【違いの程度を比較,照合】していた.チームに【患者固有の苦痛指標】がある場合は,看護師の判断に迷いが少なく,「いつもの患者との違い」,「病態とサインの一致」から【苦痛の程度が高い】と判断し,【穏やかに過ごせる方法】として,「レスキュー鎮痛薬を試行」し,患者が穏やかになったことで,【がんの痛みがあった】と判断していた.看護師は,痛みを適切に訴えられない患者の微細なサインを観察していた.また,過去の痛みを忘れてしまう患者に代わり,痛みの経過やパターンを把握するために,「今までの状態」「一般的な状態」「サインの頻度・持続性」「チームの見解」から,複数の軸で比較・照合し丁寧な観察を続けていた.これらは認知症を伴うがん疼痛アセスメントの特徴と考えられた.
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