2016 Fiscal Year Research-status Report
血液透析を受ける認知症高齢者の主観的経験-標準的看護方法構築に向けて-
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26463457
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Research Institution | Kinjo University |
Principal Investigator |
高山 成子 金城大学, 看護学部, 教授 (30163322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 美香 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (10382384)
渡辺 陽子 (半田陽子) 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (20364119)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血液透析経過別問題 / 認知症重症度別問題 / 看護方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は全体計画の3段階目である。目標は、2段階目(平成27年)の2か所の血液透析室で参加観察を実施した認知症高齢者12名の逐語録に基づき結果を抽出し、1段階目(平成26年)の血液透析熟練看護師のインタビュー結果と合わせた分析によって、標準的な看護方法を抽出することである。 まず、4月~6月に第1段階目の調査結果を再度見直し、論文投稿をして広く意見を頂いた(8月掲載)。次に、2段階目の分析については、昨年度に実施した対象者7名の血液透析3~4時間の実施経過におけるリスク言動の特徴を4月国際アルツハイマー学会に発表し、その後、5名の対象者の追加分析を行った。その結果、①MMSE17点以上の対象者には問題言動はなくMMSE16点以下、特にMMSE4点以下の対象者はリスクの高い言動がみられた、②開始時の穿刺の激痛に対し、問題言動が大きいと予測したが、殆ど問題言動がなく、対象者は全員激痛を耐えていた、③開始後30~1時間30分、開始後3時間以降に問題行動が多くみられた」、「開始後3時間以降の問題行動の原因は同一体位苦痛で、30分~1時間30分の問題言動のの原因は原因が違っていた」の示された。 以上により、標準的看護方法抽出の方法として、時期ごとに区分して看護方法を立案することが示唆された。そこで、分析の第2として、上記の時期の区分に沿って研究代表者及び研究協力者1名が、対象者12名の言動の質的分析をすることを開始した。しかし、研究代表者の家族の発症(9月)により対象者4名の分析で中断を余儀なくされた。さらに、平成29年1月に開催予定していた協力者8名全員による検討会議が、協力者1名の病気発症、2名の勤務移動のため日程調整が困難となった。その結果研究結果分析終了に至らず、研究期間延長申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
質的分析は研究代表者及び協力者1名によって、統一した視点で分析をする予定であった。4名の質的分析は終了したが、研究代表者の配偶者の病気発症(9月)による入院のため平成29年1月まで実施できず、その後も自宅改修、介護保険開始、自宅介護などの対応に追われ、対象者12名の逐語録質的分析を中断せざるを得なかった。 加えて、協力者1名の病気発症、協力者2名の勤務移動、および認知症認定看護師2名が認知症加算制度による予期しない業務量の増大により、検討会議開催日程調整を何度も行ったが、開催日を設定することができなかった。そのため、平成29年5月に会議開催を延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成29年5月に協力者全員による、分析会議を開催する。ここでは、第1段階の血液透析熟練看護師のインタビュー結果と、第2段階の経過別リスク基準度に沿った量的分析結果と4名の質的分析結果を照らし合わせながら、協力者が、標準的といえる看護方法の意見を出し合う。 2.平成29年10月まで、対象者6名の質的分析を行う。会議における意見と合わせて、血液透析を受ける認知症高齢者特有の看護方法(仮案)を作成する。 3.平成29年12月~平成30年3月に、会議開催し、再度の検討を経て、認知症高齢者特有の看護方法(案)を作成する。
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Causes of Carryover |
1.開催予定であった分析会議を2回開催したが、石川県内の協力者で開催したため、費用が発生しなかった。 2.平成28年度の開催予定であった、協力者全員による分析会議が、平成29年度開催になったため、会議室費用、協力者8名の旅費が支出できなかった。 3.すでに、依頼した英語論文翻訳が年度内に納品できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2の会議関連費用については、平成29年5月に開催予定である。また、平成29年12月以降にも開催予定している。3の翻訳費については、平成29年5月に納品され支出が完了した。 あと1英語論文の翻訳は平成29年7月に依頼予定である。
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