2014 Fiscal Year Research-status Report
臨床現場で育まれたケアメソッドを活用した老年病院における現任教育プログラムの構築
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26463465
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
伊藤 まゆみ 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (50251137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 泰栄 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (90398529)
井本 由希子 群馬パース大学, 保健科学部, 助教 (80604462)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 看護 / 終末期ケア / 看護師 / 療養病床 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究成果の具体的内容:今年度はまず、老年病院におけるケアメソッドのうち、これまで報告の少ない最終生期高齢者のエンドオブライフケアの実態と、ケアに携わる看護師の困難性を明らかにすることを目的とした。療養病床を有する病院1施設で高齢者の終末期ケアに携わる臨床経験5年以上の看護師4名(中堅レベル)を対象に、半構造的インタビューを実施し、ICレコーダに録音、逐語碌を作成した。データは質的帰納的に分析した。 その結果、14の中カテゴリー、5の大カテゴリーに集約された。5つのカテゴリーとは、【最後までその人らしく「生きる」ことを支える】【自己のケアに価値を見出しながらより良い終末期ケアを目指す】【「生きる意味」をめぐる葛藤や精神的負担にとらわれ苦悩する】【看護師として経験を積むことで精神的負担に対する対処能力を身につける】【高齢者終末期における療養病床のケアの特徴】であった。看護師はいかなる状態であろうと、生命が存続する限り、ひとりの人としてその人らしく生を全うできるよう支援する一方で、「生きる意味」をめぐる葛藤や精神的負担にとらわれ苦悩していた。しかし臨床経験を積むことで精神的負担に対する対処能力を一層身につけていた。 2.意義・重要性:療養病床での看護師としての経験を積むことで、高齢者の死は人間の一生のなかの自然なプロセスと捉え、人生の最終生期の高齢者を看取ることを光栄なものとして意味づけることができるようになることが示唆された。 3.今後の研究の展開: 今回の対象者は中堅以上の看護師であったが、これらの能力がどのようなプロセスで形成されてきたかの縦断的分析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者を対象としたケアメソッドのうち、今年度は終末期ケアを中心に取り組んだ。現任教育プログラムの要素として、この他に取り組むべきいくつかのケアメソッドがある。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の対象者は中堅以上の看護師であったが、これらの能力がどのようなプロセスで形成されてきたかの縦断的分析を進めていくとともに、エンドオブライフケアの具体的内容を抽出していく。また、ケアメソッドとして、食事・栄養ケア、重度認知症により対応困難な高齢者とのコミュニケーション技術、アセスメント技術、家族対応について取り上げていく。
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Causes of Carryover |
フォーカスグループインタビューによるデータ収集方法を実施しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度、看護師のラダー毎にフォーカスグループインタビューを実施する。
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