2014 Fiscal Year Research-status Report
施設及び在宅における要介護高齢者のTypeⅡコミュニケーションスケールの開発
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26463471
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
深谷 安子 関東学院大学, 看護学部, 教授 (20238447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 隆憲 東海大学, 法学部, 教授 (00234279)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タイプⅡコミュニケーション / 施設入所高齢者 / スケ-ル開発 / 信頼性 / 妥当性 / 構成概念妥当性 / 基準関連妥当性 / 並存妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
施設入所高齢者の発語時間の短さは、高齢者のQOLや精神の活性化に大きな影響を及ぼす可能性があり、老人廃用性認知症の予防の観点からも対策が必要と考える。本年度は高齢者の発語時間に大きな影響を与えるタイプⅡコミュニケーションを簡便に測定できるスケールの開発を目的とした。そのため、タイプⅡコミュニケーションスケ-ル(以下QOCEと略す)を作成し、施設入所高齢者を対象にその信頼性・妥当性を検討した。調査対象は、介護老人保健施設(3施設)および特別養護老人ホ-ム(4施設)に入所中の、男性23名、女性18名、合計41名とした。調査内容は、高齢者の基本的属性、施設特性、高齢者の1日のタイプ発語時間、QOCE、運動機能(FIM)、認知機能(HDSR)、抑うつ度(CESD)、生活満足度(PGC)とした。暫定的QOCEは合計16項目の4段階のリッカートスケールとした。結果は、項目分布、項目間相関、item-total correlationによる項目分析の結果、合計2項目を除外し、14項目のQOCEスケールとした。信頼性は、Cronbach’s α= .87で、内的整合性を持つことが認められた。しかし、テスト・リテスト(r = .55,p<. 001)の安定性が不良であった。構成概念妥当性は因子分析で検討したが、3因子が抽出され構成概念妥当性が認められた。また、基準関連妥当性は、QOCEとタイプⅡ発語時間に有意な相関を認め確認された。しかし併存妥当性は、QOCEとCESD、QOCEとPGCとの相関から検討したが、いずれも有意な相関を認めず、今後さらなる検証が必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画は施設入所高齢者と在宅要介護高齢者のタイプⅡコミュニケ-ション調査を実施し、次年度に分析の予定であった。しかし、まず施設入所高齢者デ-タの分析結果を踏まえて、在宅要介護高齢者の調査を実施することに予定を変更した。そのため、今年度は施設入所高齢者の調査と分析に集中したために、在宅要介護高齢者のコミュニケ-ション調査は未実施である。しかし、全体的な研究計画に変更はなく順調に計画が遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に実施した施設入所高齢者を対象としたタイプⅡコミュニケーションスケ-ルの分析から得られた課題を踏まえて、既存スケ-ルの一部修正を検討する。在宅要介護高齢者を対象にタイプⅡコミュニケーションスケ-ル調査を実施し、その信頼性・妥当性を検討する。10月に、昨年度の研究実績を国際学会にて発表予定である。
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Causes of Carryover |
調査対象者の確保が未確定なため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度は在宅要介護高齢者の確保と調査ならびに確定版スケールの公表を行い、識者との意見交換を行なう予定。
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Research Products
(1 results)