2015 Fiscal Year Research-status Report
難治てんかん患者の地域包括的支援ネットワークの確立と展開
| Project/Area Number |
26463485
|
|---|
| Research Institution | Tottori University |
|---|
Principal Investigator |
吉岡 伸一 鳥取大学, 医学部, 教授 (00191544)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | てんかん / 地域包括支援 / 訪問看護 / 訪問介護 / 難治例 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
訪問看護サービスを受けているてんかん患者の実態や訪問看護を受けるための課題を把握するため、山陰地区（鳥取・島根両県）で訪問看護ステーションの事業所167箇所の施設管理者を対象に無記名自記式の質問紙調査を行った。調査項目は、ステーションでの利用者情報、てんかん患者の利用状況、ステーションでてんかん患者の利用に関する課題などである。なお、事前に鳥取県訪問看護ステーション連絡協議会及び島根県訪問看護ステーション協議会の会長の研究協力の承諾を受け、鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を得た後、調査を実施した。
現在、回収途中の段階であるが、47事業所から回答が得られた（回収率28％）。ステーションの対象者の基礎疾患の第1位は脳血管疾患で、第2位は認知症、第3位は神経難病の順であった。また、てんかん患者の利用について、利用しているステーションは51％で、20歳以上の患者だけが多かったが、20歳以下の患者が利用している施設もあった。てんかん患者のステーション利用については66%が依頼されたら引き受けられるという回答であった。
てんかん患者が地域生活を送るために、訪問看護や訪問介護サービスなどを活用することについて、てんかん診療を行っている医療機関と円滑な連携を進めていく66%、もっと活用していく必要がある64％、施設で受け入れられる患者などの情報を地域内で共有・発信していく49％の順に多かった。
今年度の調査から、訪問看護ステーションでてんかん患者を受け入れている事業所は多く、受入に好意的であることが明らかとなった。各事業所の看護職を対象に行っている調査とあわせて、てんかん患者が訪問看護サービスを受けるための課題を明らかにする予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山陰地区の訪問看護サービス事業所を対象の調査から、訪問看護サービスを受けているてんかん患者の実態や概略について知ることができ、当初の計画通りに進行している。
訪問看護事業所に勤務する看護職員からの回収が終わった段階で、解析していく必要がある。また、今回の結果を受けて、当初の計画通りに進めるため、訪問介護事業所を絞り込み、調査票を早急に作成する必要がある。
|
| Strategy for Future Research Activity |
訪問介護事業所におけるてんかん患者のサービスの実態を明らかにするため、これまでの調査結果を分析し、調査票を作成する。その後、鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を得た後、速やかに調査を開始する。
なお、訪問介護サービスを一元化して管理する機関が存在しないため、調査を行う際、各事業所に向けての依頼を行うため、回収率に影響する可能性がある。
現在、初年度からの調査結果を報告書としてまとめ、調査に協力して頂いた機関や施設に情報提供するとともに、国内外の学会で成果を発表し、論文作成を行う予定である。
|
| Causes of Carryover |
訪問看護事業所向けの調査票の回収率が配布数に比べて低いため、郵送代に掛かる費用が低くなり、また、各事業所の看護職向けの調査票の配布数が低く、調査票の回収が年度をまたぐ結果となり、報告書の作成やデータ入力のための要員を必要としなくなった。さらに、計画当初に予定していた学会への参加を取りやめたため、次年度使用額が生じる結果となった。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り、医師会会員及び訪問看護事業所の調査結果をまとめ、報告書を作成する予定である。訪問介護事業所の対象が増えるため、次年度に予定していた郵送代に使用する予定である。また、今回の研究成果を国内外での学会に参加して発表する予定であり、そのための研究打ち合わせや報告書作成、学術雑誌投稿のため、使用する予定である。
|
Research Products
(4 results)
