2015 Fiscal Year Research-status Report
親から子(精神障がい者を同胞にもつ)へのプレ心理教育スキルの獲得プログラムの開発
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26463499
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
甘佐 京子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70331650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 美代子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (40418869)
土田 幸子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (90362342)
牧野 耕次 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00342139)
小沢 加奈 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助手 (10738040) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家族教育 / きょうだい / 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、若年の精神疾患患者(以下、患者とする)を子どもにもつ親および同胞(きょうだい)の関係性に焦点を当てた新たな家族支援アプローチとして、『親よる「同胞へのプレ心理教育」スキルトレーニングプログラム』を開発することである。 プログラム開発にに向けて、次の内容で進めている。①若年の精神疾患患者の親による、健常な同胞である子どもに対する関わりの現状、課題を明らかにするために、インタビュー・質問紙調査の実施。② 健常な子どもたちの、同胞、および親に対する思い、同胞の疾患に対する知識・認識について明らかにするために、インタビュー調査の実施 H26年度から引き続き、親へのインタビューおよび、分析を実施。主な抽出内容として、母親は、健常な子についは「しっかりしている」「放っておいても大丈夫」と認識しているが「かわいそうなことをした」「がまんさせてしまった」とも感じていた。また、同胞の病気に対する説明は「きちんとした説明はしていない」としながらも、「生活の中で感じ取っていったと思う」と認識していた。発病前後の同胞の関係は、「健常の同胞が気を遣う」ことでバランスを取っていたが、「将来的に面倒はみない」ことを親には伝えている。健常な子に対し「自分の生活を大切にしてほしい」「面倒をかけたくはない」と思う一方で「何らかの支援を頼むことになる」という思いも持っていた。精神障害の子の対応に追われている親は、健常な子への対応が十分でなかったという思いを持っている。健常児が我慢をしていることも感じ取ってはいるが、我慢の原因である同胞の病気については説明をしていない。同胞は、自分の置かれている状況を自分なりに理解し対処せざる得ない状況である。 この内容については、2016 Conference on “Transgenerational Mental Health”にて、発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、H27年度には親からのインタビューは終了し、それをもとにアンケート調査を行う予定であったが、インタビューの協力者を確保することに時間を要し、全体に遅れが生じている。また、H27年度より、学内業務(学部長就任)のエフォートが予想以上に増加したことも若干影響している。現在、質的分析は順調に進んでおり、アンケートの作成に着手している。アンケートの作成が出来次第、家族会を通じて親へのアンケートを実施する予定である。研究補助等についての雇い入れも、今年度は積極的に行い研究の進行に力を入れたい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、親からのインタビュー内容を分析することで、病気でない子ども(きょうだい)が、親から見てどの様に認識されているかが、明らかになった。その内容の妥当性を図るために、アンケート用紙を作成し量的なデータとの比較検討を行う予定である。また、親の認識と、実際のきょうだいの認識の違いを確認するために、きょうだいである対象からインタビューを行う予定である。きょうだいのインタビュー協力者の確保は困難が予測されるが、インタビューに応じてくれた親である協力者および、家族会等を通して依頼していく予定である。
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Causes of Carryover |
学内業務(学部長就任)のエフォートの予想以上の増大もあり、思うような研究進度とならなかった。そのため、データ収集が遅れたことにより、分析もそれに伴い遅れることとなった。H27年度の予算については主に、データ分析のソフト、PC周辺機器の充実に活用予定であったが、購入時期を見誤ったため、グレードアップの時期がずれてしまった。全体の研究進度の遅れがこのような状況を生み出したため、今年度は早々に予算計画の見直しを行い運用していく。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度前期に昨年度からおくれている、PC環境の整備を行いアンケート等の作成およびデータ分析がスムーズに行えるようにする(統計ソフト・大量データ対応のPCの設置・大型プリンター等)。 また、当初の計画通りドイツにおける家族教育、子どもへの心理教育について現地での研修を行う予定である。さらに、同時期に、研究成果をスイスで行われる「2016 Conference on “Transgenerational Mental Health”」にて発表予定であり、その参加費等も計上する。なお、同時期にドイツ研修と学会発表(スイス)を行うことで、旅費に関しては合算が可能である。
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