2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の精神疾患に関する看護師、看護学生の認識とケア-ベトナムと日本の比較
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26463500
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
植本 雅治 神戸市看護大学, 看護学部, 名誉教授 (90176644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松葉 祥一 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00295768)
川口 貞親 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (00295776)
平野 裕子 (小原裕子) 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50294989)
瀧尻 明子 島根大学, 看護学研究科, 講師 (70382249)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症 / 多文化間精神医学 / 看護教育 / 老人看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては、以下1.2.3の調査を行った。1.ホーチミン市の医療技術大学、ダナン市のダナン大学看護学部において看護学専攻の1年生、4年生学生約800人に対し、アンケート調査を行った。アンケート用紙は、認知症の事例とそれに関する知識、考え方を問う回答選択型の質問を記載したものである。本調査用紙は日本語で作成、ベトナム語に翻訳後、さらに現地、大学、病院の医療や教育の専門家と検討を重ねたものである。2.我が国において、神戸市看護大学、大阪市立大学、梅花女子大学、人間環境大学、島根大学の看護学部1年生、4年生約800名に上記調査用紙日本語版を用いたアンケート調査を行った。 現在、上記1.2の調査結果を分析し、、ベトナムと日本、両者の違いのありよう、またそれぞれの国における地域差の有無を明らかにしようとしている。3.ベトナム国ダナン市総合病院、同ホーチミン市ホーチミン精神科病院において、看護師各病院10人に対し面接調査を行った。調査ではまず、認知症の事例を記載した用紙を提示、その事例に関した知識を問うとともに、同様の事例に関する考え方、これまでに対応した経験、周りの人たちの対応のあり方などについて質問した。この調査結果からは、ベトナムにおける認知症高齢者に対する考え方や対応のあり方の特徴、それらと文化社会背景の関連が見えつつある。また、近年、ベトナム都市地区では、認知症の疾患としての理解は進みつつあるものの、老人は家族がケアすべきという伝統的な考え方は維持されている。一方、核家族化、夫婦とも勤務仕事を持つなどの社会変化は進んでおり、認知症老人をかかえた家族の負担は大きなものとなリ、様々な問題が生じていることも示された。今後、これまでの結果の分析を進めるとともに、同様の面接調査をベトナムの他の総合病院、精神科病院において続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベトナムでの調査は平成27年度内で終了する予定であったがベトナムにおける受入機関内の事情に加え、国際間での調査用紙、結果の受け渡し、会議日程の調整などに時間を要し、調査開始が遅れたことによるたことによる。しかし、現時点では看護学生対象のアンケート調査はほぼ終了、看護職員対象の面接調査も順調に進みつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度前半中に病院職員への聞き取り調査をベトナム国ダナン市の精神科病院とホーチミン市の総合病院にて行う予定である。 上記と併行して、これまでに得られたアンケート調査結果の解析を進め、その結果については、まとまり次第、平成28年度中に学会発表をおこなう予定である
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Causes of Carryover |
調査の遅れがあり、結果の統計解析が進まず、それに伴う費用と、解析結果に関する検討を行う会合が当該年度中に持てなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
統計結果の解析を進めるための費用、検討会合を持つための費用と、参加旅費に充てる予定である。
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