2017 Fiscal Year Annual Research Report
Protocol Development for Dialectical Behavioral Therapy Skill Training for Patients with Difficulty in Emotional Adjustment and its Usefulness
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26463509
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小谷野 康子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50307120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 真理子 武蔵野大学, 看護学部, 准教授 (50336492)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 弁証法的行動療法 / マインドフルネス / 情動コントロール / 精神科デイナイトケア / スキルトレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、弁証法的行動療法スキル訓練介入後の効果分析のために調査対象を増やし分析することを主な目的とし、加えて患者用配布資料の整備とプロトコルの完成を目指した。申請者の異動に伴い、所属大学倫理委員会に申請を行った。その後に介入1年半の対象のインタビューを実施した。これまでの調査を実施した対象数は5名で、そのうち分析対象は4名まで増やすことができた。 本研究のプログラムは、精神科外来付設ナイトケアの90分間で実施された。週1回のオープン形式の当該プログラムは参加を希望する患者はだれでも参加でき、毎回7~8名で実施している。90分の構成は、最初の30分でマインドフルネスを実施する。次の30分でポジティブな感情に焦点を当てるシェアリングを実施し、最後の30分で配布資料を使用してのスキル訓練のワークと振り返りの3部構成である。 追加した対象の質的データ分析の概要は以下である。弁証法的行動療法スキル訓練による最も顕著な変化は、主要スキルのマインドフルネスによる気づきの感度の高まりであった。本プログラムの介入による患者の変化は、気づきの感度の高まりによって感動や幸福を見つけやすくなり、感情調節や対人関係の顕著な改善が見られ、人と繋がり、人としての当たり前の感情を取り戻すことが出来るようになっていた。 調査結果により、プログラムの導入として毎回繰り返されたマインドフルネスは、自身の感情に気づく訓練となるとともに、その後のポジティブな出来事に注目するシェアリングを通して肯定的な感情を高める働きかけとなった。これらのプログラム構成により、引き続き実施したスキル訓練は、自身の感情をより的確に捉える事を可能にして感情に振り回されない余裕を生み、問題解決に向けた変化のために効果的に展開されたことが明らかになった。
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