2015 Fiscal Year Research-status Report
ひきこもり親の会の参加者を対象とした支援プログラムの効果に関する実証的研究
Project/Area Number |
26463511
|
Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
斎藤 まさ子 新潟青陵大学, 看護学部, 教授 (50440459)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 恵美子 新潟青陵大学, 社会福祉学部, 教授 (80219245)
内藤 守 新潟青陵大学, 看護学部, 准教授 (80410249)
藤野 清美 新潟青陵大学, 社会福祉学部, 助手 (20719504) [Withdrawn]
田辺 生子 新潟青陵大学, 看護学部, 助手 (30524722)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ひきこもり経験者 / 社会参加 / 家族教室 / プログラム / 家族教室テキスト / 臨床動作法 / 社会生活支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ひきこもり経験者の面接調査分析と発表・・平成26年度に実施した面接調査について本人の社会に出るまでのプロセスを修正版グラウンデッドセオリーアプローチを使って分析した。平成28年3月から実施している家族教室のプログラムの参考とし、テキストにも概要を盛り込んだ。 2.家族教室のためのモデルグループ募集と実施・・モデルグループ募集については、新潟県精神保健福祉センターと新潟市の共催で実施した。県には各保健所にチラシの配布と周知を依頼、市は新潟市こころの健康センターの協力を得て民生委員と全区の保健師に協力を依頼した。その結果12名の研究協力の申込があり、2つの各グループが隔週日曜日3月から5月まで6回の予定で現在実施中である。 3.テキスト作成「~ひきこもり家族教室テキスト~1人ひとりにあった対応をするために」を作成した。共同研究者には、看護学(精神看護学、地域看護学、老年看護学)と臨床心理学の専門家がおり、各分野から意見を出し合い検討を重ねた。また、臨床動作法研究会に所属し、体験的に学習した。研究会を主催する2名の専門家の協力を得て、テキスト「~動作法~体を動かしてリラックス」を作成した。家族教室のプログラムに盛り込んでいる。 4.プログラムの評価・・家族教室実施前後に4件法による質問紙調査を作成した。質的な行動変化の評価基準は、ルーブリックを作成した。 5.研究成果の発表・・北陸、東海、九州各地の居場所に通所するひきこもり経験者43名を対象に「社会生活に関する調査」を行った。この結果と、共同研究者による「ひきこもり親の会への参加と影響」について、グラスゴーで行われた第23回世界心身医学会2015で発表した。ひきこもり経験者の社会参加するまでの体験については、平成28年度看護家族学会に発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家族教室のメンバーは当初20名(10名ずつ、2つのグループ)を予定していたが、研究協力者は12名という目標より少ない状況であった。しかし実施してみてこの人数で妥当と考えている。今回の研究では、家族(親)がひきこもる子に対して批判的態度から、理解的態度に変化することを到達目標としてプログラムを設定し、それを評価することを目的としている。H23-25基盤Cで、家族の体験のプロセスを明らかにしたが、そこではまず家族自身が受容されないと次のステップに進めないことがわかった。そのため、家族教室では家族の体験を傾聴することが、重要な位置をしめている。ひきこもり期間が、年単位なかには10年以上の家族もいる。長い体験を語りきることを意識しているため、午後13時から16時という3時間は足りないほどである。当初の予定の10名では、時間的に追われる結果となり、十分な対応ができなかったのではないかと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回の家族教室を実施後にプログラム評価を行って、みえた課題をどう扱うか実施後に話し合う予定である。課題を修正したプログラムを、再度実施することが可能かどうか、共同研究者それぞれの業務との関連を考え検討する必要がある。
|
Causes of Carryover |
当初家族教室を現地に出向いて行う計画で、プロジェクターが必要と判断し購入する予定であったが、学内で実施することに変更したため、その必要がなくなったことがあげられる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
プロジェクター購入の必要がなくなったが、国内(横浜)で行われる国際学会発表と、日本家族看護学会発表を予定している。さらに、家族教室参加者が県内の遠方より来ている為、交通費に当てる予定である。
|