2015 Fiscal Year Research-status Report
幼児・学童期発達障害児と親を支援する先輩親からのメンタリング・プログラムの開発
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26463552
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西嶋 真理子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50403803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 希望 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40749800)
柴 珠実 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60382397)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ペアレント・メンタリング / 発達障害児 / 親支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
ステッピングストーンズトリプルPによる発達障害児の親へのペアレントトレーニングをA県のU市とN市で行うことにより、トリプルPによる子育て成功経験を体験したペアレントメンターの候補者を新規に19名確保した。さらにペアレントメンターに関する調査をA県内のすべての発達障害児親の会に加入している親336名に対して行い、ペアレントメンターに関するニーズ調査としてまとめた。主な内容は以下のとおりである。 1.親の困りごとは多様であり、児の年齢や特性から特徴的な困りごとが明らかになり、家族等の要因と関連し合っていた。例えば児の「感情のコントロールの困難さ」は「基本的生活習慣」や「きょうだいへの負担」等との間に、児の「対人相互性の希薄さ」は「家族の協力の不十分さ」との間に関連がみられており、親は複雑な状況下で困難を抱えていることが明らかになった。 2.親の会の会員からの支援で嬉しかったことがある者は,96.6%と大多数を占めた。自身が他の会員に支援したことで嬉しかったことは,入会年数5年以上で有意に高かった。ペアレントメンターに相談するうえでの気がかりがあると回答した者は7割で,その内訳は,「相手との関係構築の不安」「秘密が守られるか心配」「支援内容がわからない」の順に多かった。 3.ペアレントメンターへの相談希望について,入会年数が短い者は特に相談希望者が多く、自身がペアレントメンターになる意思がある者は,約半数を占めた。ペアレントメンターとして支援する際の気がかりがある者は,8割以上を占めた。その内訳は「ノウハウ・経験不足」について、入会年数の短い群が高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペアレントメンタリングに関するニーズ調査が終了し、ペアレントメンター候補も合計約50名程度確保できたこと、県外の先進地や県内の協力者との連携もとれており、ペアレントメンタリング研究の準備が整っていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ペアレントメンタリングに関する調査研究から得られた知見を踏まえ、トリプルPフォローアップ研修会及びペアレントメンター学習会を実施し、ペアレントメンターを育成する。メンターへのフォローアップを行うとともに、県内のA町をフィールドにペアレントメンタリングプログラムを計画・実施し、メンターとメンティ相互の働きや効果について評価し、県内のペアレントメンタリング制度確立のための基盤研究とする予定である。
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Causes of Carryover |
トリプルPフォローアップ研修会について、当初27年度に実施を考えていたが、ステッピングストーンズトリプルPの終了が27年度3月にずれ込んだため、研修会を28年度に実施することになったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
トリプルPフォローアップ研修会は28年度に実施計画を立て、実施予定としている。28年度は、さらにペアレントメンター学習会を実施するとともに広くペアレントメンターについて関係者や市民に啓発し、有効なプログラムが実施できるよう謝金や旅費として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)