2015 Fiscal Year Research-status Report
健康格差を縮小しソーシャルキャピタルの醸成を促進する市町村保健師の地区管理
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26463569
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00269325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久美子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (80341783)
塚本 友栄 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (00275778)
島田 裕子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (40556180)
関山 友子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (20614192)
青木 さぎ里 自治医科大学, 看護学部, 助教 (90438614)
江角 伸吾 自治医科大学, 看護学部, 助教 (10713810)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護学 / ソーシャルキャピタル / 市町村保健師 / 地区管理 / 健康格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
市町村の地域特性別及び活動体制の類型別の、健康格差とソーシャルキャピタルの醸成に関する地区管理の観点からの保健師活動の課題及び活動方法を明らかにするために、平成26年度の調査結果を分析した。昨年度の調査結果から、保健師活動体制の類型化については活動分野の視点が有用であること、また、地域特性についても地理的特徴だけではなく人口等から類型化を検討する必要性が示唆されたため、人口1満未満(180件)、1万以上3万未満(209件)、3万以上5万未満(110件)、5万以上10万未満(163件)、10万以上(127件)に分け、「保健師活動の課題」及び「地区や集団の健康課題を改善するために工夫していること」の記述データを質的に分析した。その結果、課題には【地区把握・地域診断】【健康課題への対応方法】【保健師間の連携】【住民との協働】【体制整備】【保健師の認識・スキル】【保健師の資質向上対策】【マンパワー】等に関するものがあった。また、工夫していることには【地区の課題の明確化】【地区活動】【保健事業提供方法】【住民又は住民組織への関わり方】【保健師間の連携】【他部署又は他職種との連携】等に関することがあった。次年度はさらに、人口規模別、活動分野別の共通性と相違性について検討していく。 また、健康格差を縮小し、ソーシャルキャピタルの醸成を促進する又は持続発展させる保健師の活動方法を明らかにするために半構成的インタビュー調査を実施した。対象は平成26年度の調査においてインタビュー調査への協力の意向が示された18名の統括保健師又は管理的立場等にある保健師又はこれらの保健師により推薦された保健師とし、改めて調査協力を依頼し、同意が得られた16名の内、12名に対し実施した(2名は平成26年度に実施済み、2名は日程調整がつかず未実施)。今年度は、活動の課題及び課題に対して工夫していること(活動方法)について質的に個別分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度の目標は、市町村の地域特性別及び活動体制の類型別の、健康格差とソーシャルキャピタルの醸成に関する地区管理の観点からの保健師活動の課題及び活動方法を明らかにするために、平成26年度の調査結果を分析し、人口規模別、活動分野別、人口規模別かつ活動分野別の共通性と相違性について検討することであった。しかし、人口規模別に分析し、課題と工夫していることの種別を明らかにすることに留まり、人口規模別、活動分野別、人口規模別かつ活動分野別の比較検討まで実施することができなかった。 また、健康格差を縮小し、ソーシャルキャピタルの醸成を促進する又は持続発展させる保健師の活動方法を明らかにするための半構成的インタビュー調査の対象数の目標は20市町村の保健師としていたが、実施数は12名であり、多様な地域特性類型及び活動体制類型の市町村が対象となるよう調査対象者を加えることもできなかった。これは平成26年度調査においてインタビュー調査への協力の意向が示された18名の保健師に改めて調査協力を依頼したところ、2名の同意が得られなかったこと、また2名は日程調整がつかなかったことに加え、インタビュー調査の対象者が、北海道から愛知県、三重県、山口県等に渡り、また、調査及び質的分析の精度をあげるために可能な限り二人体制で調査を実施することとしたため、平成27年度当初予算計画の調査旅費18万円に前年度繰越金51万円をあてても大幅に超過し、12名を超える調査の実施が困難となったためである。さらに、個別分析に時間を要したため、地域特性類型及び活動体制類型によって個別分析結果を比較検討するまでに至らなかった。 以上から、現在までの達成度を「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、前年度に引き続き、第一に市町村の地域特性別及び活動体制の類型別の、健康格差とソーシャルキャピタルの醸成に関する地区管理の観点からの保健師活動の課題及び活動方法を明らかにする。当初計画では、保健師活動の課題に対する保健師活動体制の様相の傾向を数量化理論解析等により分析するとしていたが、平成26年度の調査結果について、人口規模別に質的に分析し、活動の課題と活動方法の種別を明らかにした平成27年度の結果について、さらに人口規模別、活動分野別、人口規模別かつ活動分野別の共通性と相違性について検討する。 第二に、半構成的インタビューによる健康格差を縮小し、ソーシャルキャピタルの醸成を促進する又は持続発展させる保健師の活動方法を明らかにする。対象数は20市町村の統括保健師又は管理的立場等にある保健師又はこれらの保健師により推薦された保健師を目標とし、平成27年度までに実施した対象者14名の所属市町村の地域特性類型及び活動体制類型を踏まえ、多様な市町村の調査対象となるよう、平成27年度は日程調整が困難で未実施であった2名に研究者のネットワークサンプリング゙により選定された調査対象者を加える。活動の課題及び課題に対する活動方法について質的に個別分析を行い、それらの結果を地域特性類型及び活動体制類型によって比較検討する。9月末までに20名のインタビュー調査を終える見通しが立たない場合には、調査対象の目標数を下げる。
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Causes of Carryover |
平成26年度の繰越金が512,213円あったことと、研究補助賃金及び専門的知識の提供にかかわる謝金を当初予算の約1/5しか使用しなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度のインタビュー調査の対象数を目標20名としているが、平成27年度の調査旅費の支出結果から平成28年度当初予算計画の調査旅費18万円では不足すると考えられるため、国内旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Characteristic of the district to have to devise the public health nurses practice to reduce health disparities in Japan2015
Author(s)
Sanae Haruyama, Tomoko Sekiyama, Shingo Esumi, Sagiri Aoki, Hiroko Shimada, Kumiko Suzuki, Sugako Tamura, Yaeko Nakao, Kieko Yasuda, Yoko Yamazaki
Organizer
The 6th International Conference on Community Health Nursing Researc
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
2015-08-21 – 2015-08-21
Int'l Joint Research