2016 Fiscal Year Research-status Report
中学校における思春期メンタルヘルスの支援に関する研究
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26463571
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
藤田 京子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (20406169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 託 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (10294547)
遠藤 加奈子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (20642416)
松浦 利江子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (50535995) [Withdrawn]
石本 豪 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (70440469)
瀬戸口 ひとみ 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90594391) [Withdrawn]
谷田部 佳代弥 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90458331)
坪倉 繁美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00521303)
岸 浩一郎 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (50161435)
大塚 尚 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (60735075)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中学生 / メンタルヘルス / プログラム / 関連要因 / 養護教諭 / レジリエンス / 一次予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、思春期にある中学生が自らこころの健康を保ち育む態度を形成するためのメンタルヘルスリテラシープログラムを作成することを目的としている。これまでの取り組みは、以下のとおりである。 H26年度は、【調査1】中学生1138名の質問紙調査を実施し、中学生の生活習慣および認知の偏りが精神的健康に影響を与えていることを明らかにした。 H27年度は、【調査2】中学校養護教諭10名に精神的健康に問題をもつ生徒との関わりの実践について聞き取り調査を行い、中学生の精神保健問題の現状と関連要因、生徒が困難を乗り越えていくために必要な力について抽出した。この間、並行して思春期メンタルヘルス研究会(養護教諭および精神保健福祉職を含む多職種が参加)を15回実施し、事例検討や最新の知識についての情報交換と討議を行い、最新の知識と文献検討をもとにメンタルヘルスリテラシープログラムの試案を作成した。 H28年度は、the 17th International Mental Health Conferenceに参加し、思春期メンタルヘルス支援についての世界的動向を把握しプログラムに反映させた。10/15には「ひらめきときめきサイエンス」の一環として、作成したメンタルヘルスリテラシープログラムを用いて中学生ワークショップを行った(テーマ:『こころのしくみを知って、自分らしく輝く方法を身につけよう!-精神・心理学の活用-』)。アンケートでは、参加者(13名)の全員から「わかりやすく面白かった、また参加したい」との回答が得られた。研究会において事前に模擬授業を行い教材に改良を加え、事後の研究会においては中学校に普及させるための方策について討議した。また、地域精神医療について先進的取り組みを展開しているオーストラリアとイタリアの関係機関を視察し、予防教育についてのヒアリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
雪により研究会の開催が順延するということがあったが、その後実施することができ、概ね当初の計画通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
子どもたちの「生きる力」を育むためには、精神的落ち込みや問題をゼロにすることを目標にするのではなく、本人のもてる力・強みを生かしよりパフォーマンスの高い生活や活動ができるような、つまりゼロをプラスに変え自身の心を自己管理するのに役立つ知識やスキルを教育することが必要と考える。 よって、その後の人生において遭遇する様々な精神的危機を乗り越えていくために、「マインドフルネス」や「レジリエンス」の概念に注目しそれらを生かしたセルフケアの方策を取り入れ、子どもたちが実践しやすい形で提供できるようブラッシュアップしていく予定である。今後は、そのための情報収集や文献検索、また先進的取り組みを行っている機関の視察や研修への参加によりそれらをプログラムに反映させ、研究会において多職種で検討し教材を頒布可能にするための検討を重ねていく。
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Causes of Carryover |
1.業務との兼ね合いで、国際学会での成果発表ができなかった。2.業務との兼ね合いでレジリエンスおよびマインドフルネスについての視察・研修参加ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.the 18th International Mental Health Conference(2017.8.21-23)で中学生のメンタルヘルスについて成果発表をする。2.レジリエンスおよびマインドフルネスについての視察や研修に参加し、その成果を取り入れよりわかりやすく実用的な中学生版メンタルヘルスリテラシープログラムを作成する。
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Research Products
(10 results)