2014 Fiscal Year Research-status Report
脂質代謝と小胞体ストレスをつなぐCREBHの非アルコール性脂肪肝発症における役割
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26500001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 和人 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30455935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 嘉 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (80361351)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪肝をマウスで再現するためには、通常、メチオニン・コリン欠損(MCD)食を8週間摂取させる必要がある。しかしながら、CREBHノックアウトマウスでは4週間ですでに病態が形成されていた。さらに、摂取期間を8週間に伸ばすと、肝臓機能が破綻してしまう結果を得た。病理所見としては、ノックアウトマウスでは炎症が惹起されており、マクロファージの浸潤が顕著にみられる。加えて炎症が発端となり、明らかな線維化も観察できている。遺伝子発現を検討したところ、マクロファージの浸潤によるものか炎症系サイトカイン、繊維化マーカーの発現が著しく増加していた。今後はさらに詳細な解析を行い、CREBHは小胞体ストレス遺伝子であるという報告もあることから、小胞体ストレスとの関連も視野にいれ解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CREBH欠損により著しく非アルコール性脂肪肝が悪化することを現在までに明らかにできている。加えて、その際のメカニズムについても解析の目処が立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
CREBH欠損による非アルコール性脂肪肝の悪化がどの臓器が起因しているかを明らかにする。現在、使用するCREBHノックアウトマウスは全身でCREBHを欠損している。しかしながら、CREBHは肝臓、小腸の2つの臓器で発現しており、栄養吸収、栄養代謝のどちらからの影響であるかがはっきり出来ていない。そのため、CRISPR/Cas9システムを使い、組織特異的ノックアウトマウスを作成している。このマウスができれば、さらに非アルコール性脂肪肝での組織特異的なCREBHの機能について明らかにできる。
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