2017 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of gas- and solution-phase structures of not crystallizable proteins
Project/Area Number |
26505009
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
明石 知子 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (10280728)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 生体分子 / 分析科学 / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに様々なヌクレオソームコア(NCP)の結晶構造解析結果が報告されているが、これらは、ヒストンオクタマーにきつく巻き安定な構造をとりやすい約147塩基対の2種類のDNA配列のみである。本課題では、結晶構造解析では得られない情報をネイティブな状態で質量分析により獲得すること、および気相におけるフレキシブルな領域の振る舞いを解析することを目的として以下のような実験を行い成果が得られた。 (1) CG配列に富んだ配列73塩基対と結晶化しやすい601配列の半分からなる74塩基対のハイブリッドである147塩基対の二重鎖DNAを設計し、その調製法を検討した。約半分の長さのDNAオリゴマーでは調製ができたものの、目的とする長さではCG配列が多いためか、ライゲーション時に予期せぬ副反応が起き、短いオリゴマーと同様な方法で調製できないことが分かった。(2) カノニカルなNCPのESIイオンモビリティ質量分析では、複数のコンフォメーションの存在を示唆するスペクトルが得られたことから、これらのコンフォマーがどのような構造なのかを明らかにする目的で、計算科学を用いて候補となる構造群の算出を行った。最初に50 mM NaCl水溶液中での分子動力学(MD)シミュレーションを行った後、真空中でのMDシミュレーション(5 ns)もしくは脱溶媒過程を模したエネルギー最小化計算の2通りを試みた。その結果、真空中のMDシミュレーションで得られた構造の衝突断面積は、イオンモビリティ質量分析で得られる実験値よりも1-2割小さく、テイルはほとんどコア部分に張り付いた上にNCPのコア部分の構造がかなりつぶれていることがわかった。これに対し、エネルギー最小化計算で得られた構造はコア部分の構造が保たれていた。
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