2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Status and the Challenges of Disaster Culture - inn order to establish a resilient community
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26510001
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山崎 友子 岩手大学, 教育学部, 教授 (00322959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 雲龍 桜美林大学, 人文学系, 准教授 (50329421)
Hall James 岩手大学, 教育学部, 准教授 (80361038)
西館 数芽 岩手大学, 理工学部, 教授 (90250638)
堀 信行 奈良大学, 文学部, 教授 (40087143)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 災害文化 / レジリアンス / ローカル・ノレッジ / 土地利用による規制 / 校歌による継承 / 自然観 / 土地利用の変化 / 学校統廃合による課題の発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究の中で二つの具体的事例に焦点を当て、二つの論文を国際学会(AAG: American Association of Geographers、於米国ボストン)で成果として発表した。一つは、水害常襲地における土地利用と災害へのレジリアンスを検討し、津波災害に対応するレジリアンスを作る一つである「津波てんでんこ」というローカル・ノレッジを継承するための示唆を示した。埼玉県北川辺は、利根川や渡良瀬川が幾度も起きた氾濫と流路変更を生む中から生まれた地形の中に、圃場整備が施された水田が展開し、渡良瀬川の右岸に見られる自然堤防を利用して、東武日光線が走っている地域である。水害防備手段としての「水屋」も築かれた。ここ北川辺の詳細な断面図を作成し、都市化の中で、水田が持つ遊水地的機能が活かされず、水害防備手段としての「水屋」の保存が困難になっていることで、水害に対するローカル・ノリッジが消えてく地域の姿が土地利用に見られることを示した。また、岩手県三陸沿岸の小中学校の校歌を調査し、小学校の校歌には学区の自然が謳われ、中学校では地域社会の未来を担う精神が謳われ、災害に対応する自然観や精神が校歌によりローカル・ノリッジとして養われていることを示し、学校が地域の災害文化の醸成・継承に果たす役割を示した。一方、学校の統廃合がすすみ、校歌によりその継承を行うことに課題が生まれていることを指摘した。
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Research Products
(3 results)