2017 Fiscal Year Annual Research Report
System to Complement Public Support for Housing Reocnstuticon through Reocntruction Fund, Public Donation and Other Measures
Project/Area Number |
26510014
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
青田 良介 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 教授 (30598107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 栄一 関西大学, 社会安全学部, 教授 (00352360)
馬場 美智子 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 准教授 (40360383)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 住宅再建 / 私有財産の喪失 / 公的支援 / 保険制度 / 共済制度 / 復興基金 / 公的財産 |
Outline of Annual Research Achievements |
米国における住宅再建の状況について、将来巨大地震災害が予測されるワシントン州を調査した。米国では、2005年のハリケーンカトリーナにおいて、住宅全壊家屋に対し15万ドルの補助金を提供したが、特例的な扱いとなっており、日本同様、私有財産の損失に対し公的に補償するのは難しいといった見解を維持している。シアトル市等では、損壊家屋に対する少額な補助金を準備している。 他方、水害に対しては国家洪水保険制度を有している。洪水被害者の救済と洪水被害の軽減を兼ね備えており、①コミュニティ単位で加入することで被災する可能性の高い個人だけが加入しないよう配慮する、②災害軽減に取り組むコミュニティに対しては保険料を軽減するなど自助努力を促す、③連邦政府が保険金の支払いを保障するので民間保険会社も契約増加に一役買っている、といった特色がある。我が国の地震保険制度の充実にも参考になると考えられる。住宅再建支援の仕組みは、国によって異なる。2015年のネパール地震では耐震住宅を再建する場合に補助金を交付することがわかった。 この点、兵庫県では独自の住宅再建共済制度「フェニックス共済」があり、年額5千円の掛け金で全壊に対し600万円を給付する。兵庫県が事実上支払いを保障している。復興基金に関しては、熊本県が、被災宅地復旧支援事業や公営住宅既存ストック活用事業といった独自の方策を展開している。 本研究では、阪神・淡路大震災以後の国内外での住宅再建にかかる公的支援を補完する方策について研究してきた。住まいは、個人の私有財産ともに、まちの賑わいという公的財産の性格をも有している。そうしたことを考慮すると、ひとつに囚われない多様な方策を準備するのが現実的と考えられる。復興基金、義援金、被災者生活支援金、さらには保険、共済等を含めた、総合的な支援制度に向けた道筋の必要性を考察することができた。
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Research Products
(5 results)