2014 Fiscal Year Research-status Report
バイオイメージング技術を応用した微生物代謝活性のライブ評価
Project/Area Number |
26550051
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
吉永 郁生 鳥取環境大学, 環境学部, 教授 (40230776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角野 貴信 鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (50511234)
佐藤 伸 鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (60467438)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタン / 亜酸化窒素 / 土壌細菌 / バイオフィルム / 嫌気性 / バイオイメージング / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における平成26年度の計画では,森林や畑地土壌,湖や海域の堆積物から,メタンや亜酸化窒素などのガスを生成する嫌気微生物を純粋培養系かあるいは混合培養系で分取することを目指していた。そのための培地組成や培養条件を検討し,主に条件の異なる畑地土壌を初期試料として,嫌気集積培養を試みている。 現在のところ,いくつかの培地と培養条件を併用することにより,集積培養系は確立できた。しかし,発生するガスの解析条件等の確立が未達成であり,したがって安定的に実験研究に供する微生物試料が確立できていない。この確立が今後の「より現場条件に近い実験環境において,微生物ハビタットを微環境レベル(顕微鏡下でのみ,観察できるレベル)での相違が嫌気性ガス生産に及ぼす影響を試験するための技術開発」に応用するためには必須であり,現在,その達成を急いでいる。 本学の研究設備の概算要求として,本研究課題に必須の「共焦点レーザー顕微鏡」を要求中であり,その前段階として最新型の蛍光生物顕微鏡の設置を近いうちに行う。必要な顕微鏡に関しては,近隣の研究所との連携を行っている。 集積培養系の微生物試料,および,摂取源とした現場試料の微生物のリボゾームRNA遺伝子ならびにいくつかの機能遺伝子組成を調べる,分子生態学的解析も近いうちに行う予定である。本実験は遺伝子組み換え過程を必要とするため,本学の「組み換えDNA取扱い規約」を策定中であり,策定後ただちに実験を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究は嫌気ガス発生微生物試料系の確立の段階で作業が停滞しており,全体の進捗は大幅に遅れている。取り急ぎ,バイオイメージング技術を応用できるだけの微生物試料の確立と,そのガス産生条件の予備試験に精力を注ぐ。 顕微鏡などのハード面の整備や「組み換えDNA実験規約」などのソフト面の整備などの実験研究環境の整備に手間取っているが,現在,かなり進捗しており,今後の研究の加速化につながると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではレーザー顕微鏡と培養装置,およびガス採取システムを連動させ,顕微鏡で観察しながら,微環境レベルでの微生物過程とガス産生の状況を評価するシステムを開発することを目的としている。しかし,レーザー顕微鏡の導入が,当初計画よりも遅れることが必須のため,代用として,導入予定の最新型の蛍光生物顕微鏡と倒立顕微鏡を併用することで,システムの効果を評価しようと考えている。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れており,平成26年度の使用予定であった物品の購入,および他施設の研究備品の使用料支払い等が発生しなかったため,平成27年度への繰り越しが必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した金額(800000円)は,平成27年度へ繰り越された平成26年度の研究計画通りに支出を予定している。
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