2014 Fiscal Year Research-status Report
離島における観光資源活用と域内物流の改善のためのユビキタスネットワークの導入効果
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26550094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花木 啓祐 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00134015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗栖 聖(長谷川聖) 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (00323519)
別所 正博 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任講師 (50515864)
坂村 健 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (10126071)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユビキタス / 離島 / 観光 / 環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定通り、東京都八丈島を対象地として確定した。現地の協力が不可欠であることから、八丈島観光協会、八丈町産業観光課を中心にして、現地のニーズを把握すると共に、本研究で導入するユビキタスシステムに対する、これら行政の受容性について検討した。数度の折衝の結果、導入に当たって生じる障害は解決可能であり、また現地のニーズも高いことを確認した。 島内の観光案内へのユビキタス技術の導入のために、いくつかの観光地や商業地域で実績があり、坂村・別所がシステムの内容を熟知している「ココシル」を採用することを決定した。このシステムはスマートフォンアプリとして来訪者が利用することが可能であり、島内の観光地及び、生態系として重要な場所や地熱発電所など、環境面から重要な場所に関する案内を提供することを決定した。まず、非公開版ながらもシステムを利用可能な形にした。 このシステムを活用するためには、それぞれの島内の主たる観光及び環境スポットについてのコンテンツが必要であり、それを作成する作業を学生の力を借りて進め、ココシルシステムに組み込んだ。この段階で、旅行者がスマートフォンアプリから情報を得ることが試験的に可能になった。ただし、これを実際に来訪者に対してオープンにするには、更に慎重な検討が必要である。 一方、現地でのタグの設置やスタンプラリーについては、今年度にココシルの内容を固めた後に実施する方が現地に受け入れられやすいと判断し、27年度に行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象地域を決定し、それに対して、システムを開発し、実際に現地に導入するという流れ自身には進んでいるものの、導入先の八丈島の状況に合わせて行う研究要素と、導入前に行う研究要素では進行状況が異なる。後者については、ユビキタスシステムの整備、観光・環境コンテンツの作成として順調に進展した。一方、現地における機器の設置については、提供するコンテンツが確定してから徐々に進める方が得策と判断したため、導入の進展はやや遅れている。全体としては、おおむね順調に進展している、と評価している。とりわけ、下準備として重要な、観光・環境コンテンツの入力が概ね完了したことは大きな進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度に既に入力を終えたコンテンツとシステムを用いて、八丈島において実際にユビキタスシステムを導入する。そのためには、機器の設置と現地の人びとによる管理など、十分な検討を行ってから実施する部分が多く、慎重に進める。最終的には27年度に導入を行い、その運用から得られる成果についてまとめる。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、対象地域である八丈島にNFCタグなどやタブレットなどの各種のユビキタス機器を最初に設置して、その後にコンテンツを徐々に整備する方針であった。しかしながら、現地との打合せなどを通じて、機器の設置の前にコンテンツを作成し、ユビキタスシステムの有効性を示してから機器の設置に進む方が研究の方法として有効であると判断された。そのため、本年度に支出を予定していた各種機器の設置を次年度に行うことにしたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、NFCタグなどやタブレットなど、現地でのシステムの運用に必要な機器の購入と設置に充てる。
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