2015 Fiscal Year Annual Research Report
離島における観光資源活用と域内物流の改善のためのユビキタスネットワークの導入効果
Project/Area Number |
26550094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花木 啓祐 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00134015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗栖 聖 (長谷川聖) 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00323519)
別所 正博 東京大学, その他の研究科, 講師 (50515864)
坂村 健 東京大学, その他の研究科, 教授 (10126071)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユビキタス / 離島 / 観光 / 環境 / マテリアルフロー |
Outline of Annual Research Achievements |
八丈島にユビキタスネットワークを導入し観光資源の活用効果を調べると共に、域内物流の実態を調査した。まず、観光協会や地域のグループとの協働関係を構築した。地元の観光協会の意見を聞きながら、新たに来訪者向けに観光要素を整理し、ユビキタス技術による取得・提供コンテンツを決定した。島内の観光スポットに関する事前の調査と、前記のコンテンツ入力を行った地点から11カ所を選び、そこにBluetoothを利用したucodeタグを設置した。スマートフォンアプリである「ココシル」に観光情報を実装し、来訪者向けに試験運用を行った。11カ所を巡るスタンプラリーを実施し、それを通じてココシルの使用及び八丈島の観光に関する61名の来訪者の意見を得た。アプリに対する満足度は比較的高く、また次回も使いたいとの答が多かった。11カ所の訪問順序などから、訪問先同士の相関が明らかになり、回遊行動が想定される施設で相互関係が強かった。 島内での購入物、買い物行動について婦人会等へのヒアリング、アンケート調査による把握を行った。通信販売利用経験者の比率は全国平均とほぼ同じ水準だった。八丈島で通信販売での購入品で最も多いのは、家具・家電・家庭用品と衣料品であり、島内には衣料品や家具・家電品を販売する小売店が限られているため、こうした品物が特に通信販売で購入されている実態を裏付ける結果を得た。普段の食生活のうち、購入・自家栽培・いただきものの割合を尋ねた質問への回答を集計した結果、多い時期(春から秋)には、その比率は食事の半分以上に達し、市場を経由しない食品の物流が大きいことが分かった。また、長期で大量に食料を保存できる専用の冷凍庫が広く普及していることも分かった。
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