2015 Fiscal Year Research-status Report
小離島と中山間地域における在宅終末期ケアの比較~沖縄と島根~
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26560024
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
阿川 啓子 島根県立大学, 看護学部, 助教 (20709381)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 終末期ケア / 日本文化論 / 価値観 / 中山間地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本文化論を参考に日本固有の価値観に基づく終末期ケアの検討を行った。その一環として、日本固有の文化を学ぶ目的に”The 12th International Family Nursing Conference” に参加し、デンマーク、イタリア、ドイツ、アメリカ、韓国などの看護師と終末期ケアに関してディスカッションを行った。 また、医療的ケアのある療養者に対して実践している訪問看護師のインタビューを分析することで日本人の恥の文化、つまり相手の気持ちを尊重する事を大切にし、言語で明確な表現をするより思いやったり察する「以心伝心」というコミュニケーション手段をどのように実践しているのかの分析をおこない、5月に行われる文化看護学会で研究発表をおこなう。 さらに、5月には島根県の豪雪地帯である飯南町から97歳で湖陵町へ移居し99歳で永眠された事例のシンポジウムのコーディネーターをする。シンポジストは遺族とケアマネジャー、デイサービスの看護師であり、遺族には在宅で看取りをしたプロセスとその時に感じていた事を発表してもらうように準備している。ケアマネジャーと看護師には、永眠される3日前まで、デイサービスに通った経過やその時の病状と周囲の反応などについて発表をしてもらう準備をしている。 このシンポジウムの終末期ケアの内容は平成28年度に執筆して報告をする予定にしている。また、その経過を踏まえて沖縄の大湾先生とディスカッションをする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
島根県の現状分析を現在行っている段階でありその結果から沖縄との比較をする。 沖縄での研究は分析が終わっているので島根県の現状分析が終われば比較検討が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
島根県での99歳の方の在宅看取りを支えた人々とシンポジウムをおこない、一般の人々がどのような感想や意見をもつのかその後にディスカッションを予定している。シンポジウムの内容は、報告書という形での執筆予定にしている。 その内容と豪雪地帯での看取りの現状をインタビューして沖縄との比較をする事で日本文化の特徴を明らかにする。居住地域の文化は人間の価値観に多大な影響を与えている。島しょと中山間地域での終末期ケアを考察する上での重要な基礎資料になると考えている。
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Causes of Carryover |
次年度は、インタビューや沖縄との比較、報告書の作成などが予定されている。印刷などの文具を購入する必要があるため次年度へ繰り越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越し金は、印刷費用に計画をしている。
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Research Products
(1 results)