2015 Fiscal Year Research-status Report
呼吸介助法と脳活動との関係-呼吸リハビリテーションのエビデンスの樹立に向けて-
Project/Area Number |
26560287
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松本 香好美 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (20586200)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 一 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60333788)
今西 里佳 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (90567190)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 呼吸介助 / 脳活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、呼吸理学療法手技の1つである呼吸介助が脳活動にどのような影響を与えるかを検証することを目的とした。本年度は、健常成人を対象に呼吸介助を施行し、その前後で暗算課題を行いながら脳波を測定した。なお、脳波の測定には対象者間で測定部位が統一されるように、国際10-20法のCZを基準とした。電極位置は前頭極部、前頭部、中心部、後頭部とし、それぞれに皿電極を設置した。脳波はパワースペクトル値を算出後α波帯域(8-13Hz)とβ波帯域(14-35Hz)、θ波帯域(4-7Hz)をそれぞれ抽出し、合計値を求めα波帯域成分とβ波帯域成分、θ波帯域成分とした。測定肢位は背臥位とし、呼吸介助の施行部位は上部胸郭とした。また、効果判定を統一するため施行は報告者1名で行った。呼吸介助の方法は呼吸理学療法標準手技(医学書院、2008)に記載されている方法に準じて施行した。得られた脳波データは、PowerLabシステムを用いてデジタル処理をし、さらにパーソナルコンピューターに接続することでデータを保存し解析した。結果、α波帯域成分とβ波帯域成分、θ波帯域成分はそれぞれ連動して抽出されていた。暗算時の合計値は呼吸介助直後では多い傾向にあり、呼吸による影響があったものと思われる。また、呼吸介助直後の暗算時よりも呼吸介助後の安静後の暗算時の方が合計値は少なく、リラックスして暗算が行えていることが示唆された。しかしながら、アーチファクトの問題や暗算の慣れの影響も考慮すべき問題であり、再度検討し、今後も引き続き継続して測定や解析を行っていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳波の測定において考慮すべき点があり,改善していく必要があるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は脳波の測定上の問題点を改善し、対象者を増やして引き続き研究を継続する。
|
Causes of Carryover |
脳活動の測定上の問題を改善するために時間を要したことと、それに伴い機器の選定に検討を重ねたため、機器の購入が遅れた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
生体アンプ8chを購入し、引き続き研究を継続する。
|