2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26560343
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
尾縣 貢 筑波大学, 体育系, 教授 (90177121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木越 清信 筑波大学, 体育系, 助教 (20378235)
卞 圭悟 (大山圭悟) 筑波大学, 体育系, 准教授 (80312833)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低圧環境 / スプリント / ジャンプ / ストレッチショートニングサイクル / 動作 / 地面反力 |
Outline of Annual Research Achievements |
高地の低圧環境下では、①空気抵抗が小さくなり動作スピードが増す、②接地瞬間の衝撃に変化があり、それが接地中の下肢の筋腱複合体の機能を高める、などの変化が生じることが予想できる。本研究では、高地における最大努力のスプリント運動中のキネティクスおよびキネマティクスを明らかにし、高地トレーニングの新たな可能性を明確にすることを目的とした。 最終年度である平成27年度は、高地環境(飛騨御岳高原にある陸上競技場:標高1200m、1900mの2箇所)と平地(筑波大学陸上競技場)での最大スピードでのスプリントの計3試技を、陸上競技者でスプリント運動に習熟している大学生10名に課した。測定項目は、疾走速度、ピッチ、ストライド、下肢三関節の角度・角速度変化などのキネマティクス、回復脚のトルク・パワーなどのキネティクスであった。3種類のスプリント間で平均値の比較を行い、低圧環境のスプリント動作の特徴を検討した。 疾走速度、ピッチ、ストライドには試技間に有意差は認められなかった。また、キネティクスにも有意差の認められた項目はなかった。しかしながら、個々の被験者別に検討していくと、低圧環境でのスプリント動作がよりスピードが発揮できる形態に変化している被験者も見られた。それは、下肢の前方及び後方へのスウィング速度が高まり、ストライドが伸長したという変化であった。現在、これらの動作の変化がどのようなキネティクス要因に裏付けられたものであるかを検証中である。これの変化が身体全体にかかる圧力(空気抵抗)が一定に軽減されたことによる動作スピードのアップによるものであるのか、走運動の接地瞬間の衝撃が強くなり、その後の下肢の伸張-短縮サイクル運動が効率良く行われることにより、プライオメトリック機能が強化されたことによるものなのかを検討することにより、今後、トレーニングの新たな可能性を明確にしていきたい。
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