2014 Fiscal Year Research-status Report
配列分析を用いた球技スポーツの連続した戦術行動分析手法の開発
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26560358
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
市村 志朗 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (30408702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 智 東京理科大学, 薬学部, 教授 (30290894)
清水 宣雄 国際武道大学, 体育学部, 教授 (10175391)
森口 哲史 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (90454206)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲーム分析 / ハンドボール / 行動分類 / 配列分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、スポーツにおける戦術行動パターンを事前定義し、戦術行動をコード化することで、連続した戦術行動パターンを文字配列によって表現することを目的とした。 ハンドボール試合映像25試合のセットオフェンス局面(1631回)映像から、「パサーの移動方向とパス方向、そしてパスを受ける選手の移動するタイミングと移動方向」を一括りとする定義を用いて、戦術行動の分類を行った。 その結果、ハンドボールのセットオフェンス局面での戦術行動は、パサーが移動方向と同じ方向へパスした場合で7種類、①through(攻撃意志がなく少ない移動でパス方向を維持し次へボールをパスすること)、②wall(攻撃意志がなく少ない移動でパスを受けた方向へボールをパスすること)、③parallel(ボールを受けながら攻撃意志を持ち、パサーからのパス方向を維持したまま攻撃すること)、④hold(ボールを受けながら攻撃意志を持ち、パサーからのパス方向とは反対方向に攻撃すること)、⑤drive(パサーのパス動作の前に移動を開始し、ボールをパサーの前方で受けながら、攻撃意志を持ちパサーからのパス方向を維持したまま攻撃すること)、⑥counter(パサーのパス動作の前に移動を開始し、ボールをパサーの前方で受けながら、攻撃意志を持ちパサーからのパス方向とは反対方向へ攻撃すること)、⑦reverse(パサーのパス動作の前に移動を開始し、ボールをパサーの後方で受けながら、攻撃意志を持ちパサーからのパス方向とは反対方向へ攻撃すること)とパサーが移動方向と反対方向へパスした場合の7種類(パスを受けた後の行動はそれぞれ①から⑦と同じ)と上記の14種類のプレイにドリブルを行ってプレイを継続する⑮cuttingに分類できた。 これら15に分類された戦術行動を記号化することで、ハンドボールのセットオフェンス局面での連続した戦術行動パターンを一次元的な文字配列によって表現することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回はハンドボール競技を用いて、次の課題である文字列配列分析の為に必須である、戦術行動の分類を作成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もハンドボールのセットオフェンス局面において、分類され記号で表現された戦術行動を時系列に配列させ、手作業にて配列分析を行う。そして、試合映像から得られた多くの連続した戦術行動配列から、類似した配列領域を特定するために、シーケンスアライメントを行い、ハンドボールのセットオフェンスプレイの特徴的な戦術行動配列を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせのために準備していた旅費の使用が節約できたことと、データ収集の為の時間が予定の2/3程度の時間で済んだことから人件費が予想以上に必要ではなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
より多くのデータ収集およびデータ入力を行うために、予定よりもアルバイトの人件費を増額する。 さらに、配列分析ソフトウェア開発のための資金とする。
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