2014 Fiscal Year Research-status Report
ウガンダの「うなづき症候群」に対する治療とケアの方法の確立をめざす学際的地域研究
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26570007
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
武井 弥生 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (40197257)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウガンダ共和国 / うなづき症候群 / 知的障害者 / コミュニティベースオーガナイゼイション / 世帯構造 / ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
1.医療班・社会班共に8~9月、グル県パイチョ準郡のうなづき症候群患者とその家族の住むラクウェラ村にて調査を行った。 医療班は、24人のうなづき症候群の患者の神経学的身体検査を行った。歩ける患者のみが今回は対象であったため、ADLはほぼ保たれており、知的障害以外の明らかな神経学的異常はみられなかった。知的障害に応じた患児の適切な教育へのアクセスはなかった。社会班は、患者家族で構成されるCBO(Community Based Organization)26世帯を含めた村落全体の96世帯にインタビューを行った。結果として患者世帯には7~9人の大所帯が多い事、女性世帯がCBOに多いなどが判明した。県保健省地域月例会への出席、NGO「Hope for Humans」の訪問、より患者の多いキトグゥム県及びラムウォ県の教会関係者・行政関係者の訪問、同二県郡部の患者家族の状況を視察を行い、情報を交換した。またこの期間以外で、首都カンパラの国立精神神経ブタビカ病院の訪問、保健省担当医務官と会合を行い情報の交換を行った。 2.11月2日第55回日本熱帯医学会大会・第29回日本国際保健医療学会学術大会合同大会自由集会で今期の調査の発表を齋藤・坂井・武井で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
社会班は予定の計画通り、医療班はやや遅れて進展している。医療班は、神経専門医の研究者の現地滞在日数が短期間に限られ重症患者の検査ができず、疾患全体の症状の把握が難しい。軽症患者の身体所見からでは疾患の分析や原因の追及に限界があった。関係各方面との関係の構築はほぼ予定通り。
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Strategy for Future Research Activity |
社会班は今期の調査の結果をもとに、女性世帯で大所帯が特徴の患者家族の、患者のケアとの関わり合いに調査を深める。医学班は、ほとんどの患者の問題は知的障害ということが判明し、行政的にも知的障害児のケアや教育は立ち遅れているため、住民レベルで自立的かつ持続性のある知的障害児の適切なケアと教育への道を模索する。また、重症患者の神経学的検査をすすめ、疾患に特徴的な所見を探る。
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Causes of Carryover |
現地で調査を行った、専門医で連携協力者の日本での勤務状況で、現地の滞在期間を短縮せざるを得なく、その分の日当宿泊費の分が使われなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定通り、研究者現地日当宿泊費。あるいは、調査地を拡充するための、新たな村での通訳者への謝金に使用する。
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Research Products
(7 results)