2014 Fiscal Year Research-status Report
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26580020
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 好一 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00141870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 克己 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 講師 (50353248)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハンドベル / 周波数特性 / 切削性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、ハンドベルの材料を銅合金系、アルミ合金系及び炭素鋼の圧延材を用いてベルを製作し、その音響特性を明らかにすることを目的とした。具体的には、各種材料に対し目的とする音高(今回はC#7(2217Hz)を製作)のベルをパソコン用CADで設計し、有限要素法解析で基本周波数を確認した。そのCADデータを元に、CNC旋盤を用いてベルを製作した。なお今回用いた銅合金系材料には、C1100、C3604、C4641、C7521の4種類、アルミニウム系合金には、A2024、A5056、A6061、A7075の4種類、そして炭素鋼ではSS400、S25C、S45C、S55Cの4種類、合計で12種類の材料を用いた。 切削加工したハンドベルは、設計通りの形状及び寸法に加工されたかを本校所有の3次元測定機で測定し、その加工状態を確認した。そして、製作した各種材料のハンドベルの音は、本校の地域連携共同開発センターの無響室で録音すると共に音響解析装置で分析し、設計段階の有限要素法解析で求めた所望の音高(基本周波数)と比較し、適合しているかを検証した。また、製作した各種材料のハンドベルは、小山高専ハンドベル部の定期演奏会(平成27年1月)に来場する参加者に聞いてもらい、その音の好みや音質についてのアンケート調査を行った。 その結果を要約すると、①CADで設計した図面に対し、切削工具で内径を削るとき工具が材料側に食い込むため、図面の寸法より肉厚が全体的に薄くなる。②ベルの肉厚が薄くなるためベルの基本周波数は全体的に小さくなる。③4種類のアルミニウム合金のベルは、材料費の高低の割には音質の違いが余り変化しない。④3種類の材料別ハンドベルの音の好みは、銅合金が最も人気があり、鉄鋼材料、そしてアルミニウム合金となる。またアルミニウム合金は、音がやさしく高齢の人に好まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ベルの材料を銅合金系、アルミ二ウム合金系、炭素鋼の3種類合計12種類の圧延材を加工し検討できた。但し、平成26度は炭素鋼の一部のベルが未完成(基本周波数が合わない)となり、現在製作中である。しかし、平成27年度予定のシェルモールド造型装置の製作が同時進行でき、6割ほど完成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、ハンドベルの材料を銅合金系とアルミニウム合金系の鋳物品で製作し、平成26年度に製作した圧延材との音の違いを音響解析で検討することを第一目標とする。そして、その成果を日本音響学会や電気情報通信学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度への繰越金(78,484円)は、平成27年3月の電気情報通信学会で本研究課題の一部を発表予定であったが、諸事情により出来なかった。繰越金は、その経費の一部である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、研究成果も十分であり、日本音響学会や電気情報通信学会への講演発表を予定している。その出張経費の一部に充てる予定である。
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