2014 Fiscal Year Research-status Report
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26580065
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
野中 進 埼玉大学, 教養学部, 教授 (60301090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 良輔 埼玉大学, 教養学部, 教授 (30239074)
大久保 譲 埼玉大学, 教養学部, 准教授 (70302825)
杉浦 晋 埼玉大学, 教養学部, 教授 (90235870)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 世界文学 / 人文教育 / 文学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度、本研究『世界文学と人文研究』は以下の研究活動を行った: (1)代表者と分担者全員で研究会を開き(2014年5月30日、6月27日、7月1日、10月10日、11月14日、12月12日、2015年1月28日、いずれも於埼玉大学)「世界文学/各国文学」「文学研究/文化研究」「専門教育/教養教育」などの鍵概念に関する最新の文献について報告・討論を行った。また、代表者・分担者の最近の取り組みについても報告を行い、討論を行った。 (2)平成27年度の埼玉大学で「世界文学と人文教育」の観点を取り込んだ授業を行うべく、授業コンセプト、具体的内容について議論を行い、シラバス作成を行った。なお、この授業は「欧米文学・文化概説」として平成27年度前期・後期、埼玉大学基盤科目(全学教育で開講されている。 (3)「世界文学と人文教育」の主題を深めるべく、自らの専門分野に関連する学術報告を行った。主なものとしては、野中進「プラトーノフの長編小説『チェヴェングール』における状況の直喩」(原文ロシア語)、第8回国際プラトーノフ会議、2014年9月25日、於世界文学研究所(モスクワ);野中進「アンドレイ・プラトーノフの創造的進化における叙情性と反叙情性の相克(『かつて愛し合った者たち』他)」日本ロシア文学会第64回全国大会、2014年11月1日於山形大学、がある。 (4)関連する活動として、日本学術振興会外国人招へい(短期)でダニエラ・ヴァシッチ准教授(ベオグラード大学・セルビア)を招き、本研究の共催として講演会を実施した(2015年3月4日、於埼玉大学)。ヴァシッチ教授と「世界文学と人文教育」について議論を交わした。 以上のように、世界文学をめぐる理論的問題の検討とともに、その検討結果を実際の教育の現場に生かし、新しい文学教育の実現を目指すという、本研究計画の目標に即した活動を進めることができたと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、三つの目的をあげている:(1)世界文学/各国文学の相関の方法論的検討、(2)文学研究/文化研究の比較文化論的調査、(3)専門教育/教養教育の相関に関する実践的提言、である。 (1)については定期的な研究会を開くことで果たすことができた。(2)については日本学術振興会外国人研究者招へい(短期)事業でダニエラ・ヴァシッチ准教授をお招きし、セルビアにおける「世界文学と人文教育」について議論することによって果たすことできた。(3)については平成27年度の実験的授業の設計、シラバス作成という形で行うことができた。 以上の理由から、当該年度において「おおむね順調に進展している」と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の活動を柱に、本研究を推進する予定である: (1)埼玉大学で行っている実験的な授業のデータ作成・収集(配布資料、学生アンケートなど)とその分析 (2)外国の文学教育研究者を招へいし、文学教育に関するセミナーや国際学会パネルを組織する。 (3)代表者と分担者で「世界文学と人文教育」に関する論文を執筆し、成果報告集を準備する。
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Causes of Carryover |
コルネーリヤ・イチン教授(ベオグラード大学、セルビア)を本研究にて招へい予定であったが、ご本人の事情により、平成27年度に延期となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度8月2日―11日にイチン教授を招へいし、セルビアおよびバルカン地方における「世界文学と人文教育」の状況をインタビューするとともに、共同セミナー開催について打ち合わせを行う。
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