2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26580065
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
野中 進 埼玉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (60301090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 良輔 埼玉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (30239074)
大久保 譲 専修大学, 文学部, 准教授 (70302825)
杉浦 晋 埼玉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (90235870)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 世界文学 / 人文教育 / 日本文学 / 翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015(H27)年度はおおよそ以下の研究実績を得た: (1)「世界文学」を主題にした実験的授業を行った(野中・松原)。当該年度前期と後期に共同で授業を行った。とくに後期では他の研究分担者(大久保・杉浦)や海外研究協力者マルギット・ユーリカス(タリン大学)にもご担当いただき、「世界文学」という切り口を強調したかたちでの文学の授業を行った。結果的に、「世界文学」という観点が大学の授業において有効である(学生の新しい関心を引き出せる)ことが確認されたように思われる。次年度も同様な共同授業を行い、より効果的な文学教育のあり方を検討する。 (2)海外の研究者を招へいし、幕張市で行われたInternational Council for Central and East European Studies the IX World Congressにて「旧ソ連諸国における文学教育について」という研究パネルを組織した。 (3)海外の研究者を招へいし、「世界文学の中の日本文学」という研究領域の開拓を行った。当該年度はタリン大学(エストニア共和国)のマルギット・ユーリカス准教授を招へいし、「エストニアにおける俳句」という講義を行っていただくとともに、現代における文学教育の在り方について意見交換を行った。「世界文学と人文教育」という研究分野を日本で発展させていく上で、「世界文学の中の日本文学」という領域開拓が有効であることが確認されたように思われる。というのも、日本人学生にとって最も身近な文学はやはり日本文学であり、その日本文学を新しい視座から見るようにさせる、という教育方針は一定の有効性を有するからである。来年度以降も重要な研究分野として重視している。 (4)その他の研究業績(学会報告、論文など)について詳細は業績欄に記した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)世界文学を観点とした共同授業を実践したことで、「理論的検討と教育現場での実践」というプロジェクトの課題を果たしつつある。 (2)「世界文学の中の日本文学」という研究領域を開拓したことで、日本における世界文学研究/教育の具体的なあり方を得つつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
2016(H28)年度は最終年度であるので、以下の方針に沿って重点的に行う: (1)前年度に引き続き、世界文学を主題にした授業を行い、人文教育におけるその有効性を検証する。 (2)「世界文学の中の日本文学」を特に強調し、成果報告集を出版する。 (3)引き続き海外の文学研究者(とくに日本文学研究者)を招へいし、世界文学と人文教育に関する世界の動向を探る。 (4)プロジェクト全体の成果報告集を作成する。
|
Causes of Carryover |
研究代表者が出席を予定していた国際会議(台湾)が他の学会と重なり、出席ができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016(H28)年度、他の関連国際会議出張に充当する。
|
Research Products
(12 results)