2016 Fiscal Year Annual Research Report
World Literature and Literary Education: Theoretical Reconsideration and Practical Education
Project/Area Number |
26580065
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
野中 進 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (60301090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 良輔 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (30239074)
大久保 譲 専修大学, 文学部, 准教授 (70302825)
杉浦 晋 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (90235870)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 世界文学 / 人文教育 / 日本文学 / 国際交流 / リトアニア / ベラルーシ / ロシア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は事業最終年度であり、当初の計画に基づき、以下のような総括的な研究を行った。 (1)世界文学の文脈で読む日本文学の研究:前年度に引き続き、外国の日本文学研究者を招いて、「世界のなかの日本文学」に関するセミナー・講演会を開催した(9月9日、カリーナ・セヴリューク「ベラルーシにおける日本文学研究について」於埼玉大学;11月29日、ユルギタ・イグノティエネ「リトアニアにおける日本文学研究について」於埼玉大学)。このプロジェクトの成果は以下の論集にも収められた:野中進他編『世界のなかの日本文学―旧ソ連諸国の文学教育から』(埼玉大学教養学部リベラルアーツ叢書、2016)。 (2)研究チームによる実験的授業の実践:前年度に引き続き、研究代表者および分担者で行った(埼玉大学)。共通のコンセプトを立て、毎回話し合いながら、文学離れの著しい大学生たちをいかに文学に関心を持たせるかについて試行錯誤を行った。文学とそれ以外の領域(思想・美術・建築)の対比、また近代という時代性と小説ジャンルのつながりなどに学生の注意を向けることで、文学への関心を高められることが分かった。 (3)研究代表者が9月20日、サンクトペテルブルグ大学の学会「ロシア―日本哲学会議」にて学術報告「表現はいかに形を得て、人を慰めるか―アンドレイ・プラトーノフの手紙の一節から」を行った。この学会は、ロシアと日本の哲学・文学研究者がそれぞれの文化の視点から相手国の文学・思想について考察を行うという趣旨のものであり、本研究プロジェクトの趣旨に適した学会であった。研究代表者は、ロシアの作家アンドレイ・プラトーノフの特異な表現について世界文学的な視点から考察を試みた。 全体として、文学研究と人文教育のあるべき接点について考察し、十分な実績を上げることができたと考えられる。
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