2014 Fiscal Year Research-status Report
会話分析を用いた「からかい」の分析 -日本語会話教材の開発に向けて-
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26580094
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
初鹿野 阿れ 名古屋大学, 国際教育交流本部, 准教授 (80406363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 夏穂 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (70536656)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 「からかい」 / 「からかい」のターゲット / 「からかい」の連鎖上の位置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,雑談に現れる「からかい」の連鎖構造の特徴と,「からかい」がそのやり取りにおいて行っていることを明らかにすることを目指す。 収集した雑談のデータより「先行する発話に関連した何かを発話者自らがターゲットとして選んで行った「からかい」に注目し,「からかい」発話が何をターゲットとしているかを分析した。本年度は主に,先行する話の展開のやり方そのものに何らかの逸脱があり,その逸脱をターゲットにしているようにみえる「からかい」に注目し,具体的な「からかい」の連鎖構造,及び「からかい」が起こる連鎖上の位置を分析した。 その結果,以下のことがわかった。 (1)「からかい」はそれまでのやり取り(笑える話の語りや「誘い」の連鎖)の展開のやり方における逸脱がターゲットとされていた。その発話の組み立ては,相手に対する批判を,笑いや笑顔や自分が間違っている可能性に触れるなど,まじめな (真剣で直接的な)ものではないことを表しつつ行われていた。「からかい」の受け手も,それが「からかい」であることの理解を笑いで示しつつ,相手の批判的要素に対して弁明や抵抗をしていた。(2)「からかい」が起こった位置をみてみると,「からかい」は,ある行為に対して期待される反応がないという現象が繰り返し起こったあとに観察された。その位置は,そこに配置される発話が,反応できなかった聞き手の釈明と聞くことが可能となる位置である。 釈明と聞ける位置に「からかい」のような(遊戯的要素を含みつつも)相手の逸脱性を指摘するという挑発的行為が現れることは示唆に富む。「からかい」が親しさを表す指標となりうるのは,このような位置に現れうるからであるといえるかもしれない。「からかい」という行為を連鎖上の位置との関係で論じたことが本研究の意義の一つである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析は順調に進んでいるが,より分析を深めるため,データを増やす必要がある。協力者との日程調整がむずかしくデータ収集が当初の予定ほど進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
データを増やし,分析事例を増やす。今年度口頭発表した内容を論文として発表することを目指す。さらに,ターゲットではなく,異なる観点(発話のやり方等)により分類が可能かを検討する。その上で,日本語教育に応用可能な会話教材作成を試みる。
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Causes of Carryover |
研究発表のための出張を一部来年に変更。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究発表のための出張費として来年度に使用する予定。
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Research Products
(1 results)