2016 Fiscal Year Annual Research Report
Conversation Analysis of "teasing": Aiming at the Development of Japanese Conversation Learning Materials
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26580094
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
初鹿野 阿れ 名古屋大学, 国際機構, 特任准教授 (80406363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 夏穂 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (70536656)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | からかい / 会話教材 / 会話分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本語母語話者、非母語話者の雑談における「からかい」の相互行為的意味と連鎖構造を明らかにし、それを日本語教育のための会話教材開発に結びつけることである。親しい者同士の雑談では、相手をからかう、「からかい」を誘発する、といった発話がしばしば観察される。「からかい」とそれに対する反応を適切に行うことは、親密な関係にあることの認識を、やり取りを通して示すことである。そのやり方を知ることは、非母語話者が日本語での雑談によりよく参加できるようになるために重要であろう。本研究では「からかい」を会話分析の手法を用いて分析し、その知見を会話教育のための教材開発へ応用する道を探る。 平成28年度は、過去2年の成果を踏まえて、「からかい」の反応に絞って分析を行った。主なものとしては、Drew(1987)が指摘しているような「真面目な(po-faced)」反応による「からかい」への抵抗が観察された。また、笑いながら「そうそう」と同調する反応もみられた。さらに、相手の「からかい」に含まれる非常識さに同調するだけでなく、自分で自分を笑われる立場に置き、一緒に笑うといった反応もあった。 このように「からかい」の反応は多岐に渡る。友人との会話の中で「からかい」が現れたとき、学習者が適切に反応するためには、このようなバリエーションを知ったうえで、自分なりに反応を選択できる必要がある。いくつかの場面を設定した上で、「からかい」に自分だったらどのように反応するかを考えられるような活動を含む日本語会話教材を開発することが望ましいと考える。
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