2016 Fiscal Year Annual Research Report
Preliminary Research on Solutions to Miscommunication at Overseas Offices
Project/Area Number |
26580110
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
内藤 永 北海学園大学, 経営学部, 教授 (80281898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 晶子 札幌大谷大学, 社会学部, 教授 (40289690)
三浦 寛子 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (60347755)
竹村 雅史 北星学園大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (60353215)
坂部 俊行 北海道科学大学, 工学部, 准教授 (70337062)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ESP / ビジネスコミュニケーション / ミスコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究では、タイにベトナムを加え、日本人管理者を中心としてミスコミュニケーションの発生状況と解決事例についてインタビュー調査を行った。平成28年度の新たな観察としては、政治や法制度の違いなどから、行き違いが起きる事例について確認することができた。例えば、飲食店が経営を持続するためには公的機関による定期的な検査を受けなければならないが、現地の人との信頼関係を構築する必要がある。その信頼関係の構築が独特のコミュニケーションスタイルがあることが日本人には理解できないため、事業が滞るという事例が発生していた。
研究最終年度に際し、これらのミスコミュニケーションが発生している状況の中で、各事業所においてどのような解決があるのか聞き取り調査を行った。先ず、言語学的なミスコミュニケーションに関しては、非効率となっても確認を重ねて確実にビジネスを進めて行くことで解決していた。社会環境によるミスコミュニケーションに関しては、日本人管理者が現地スタッフに歩み寄り、現地語を織り交ぜながら小さなコミュニケーションを重ねること、更には、現地スタッフを介在して、日本人の考え方を丁寧に説明して行くという解決方法が取られていた。政治的、法制度的な違いは、その距離感をつかむことは困難であるため、その対応に精通した現地スタッフを立てて、対応を任せていることが分かった。
ミスコミュニケーションの解決事例をまとめていくと、どの事業所にも発生する問題について一つ一つ丁寧に小さなコミュニケーションを重ねて状況を正確に把握する「丁寧さ」、そして、現地の文化や習慣、歴史に対する理解を踏まえた「敬意」ある接し方が大きな鍵となっていることが分かった。そして、ポイントなるのは、これらの「丁寧さ」や「敬意」を積極的に言語化すること、そして、言語化するだけでなく、それを目に見える形で表していくことであることが判明した。
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Research Products
(3 results)