2014 Fiscal Year Research-status Report
同時代の喫緊課題に対する文化人類学の<応答>可能性の検討
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26580146
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 展 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70126085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯嶋 秀治 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (60452728)
小國 和子 日本福祉大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20513568)
亀井 伸孝 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50388724)
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, その他の研究科, 准教授 (40369864)
関根 久雄 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (60283462)
内藤 順子 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (50567295)
内藤 直樹 徳島大学, その他の研究科, 准教授 (70467421)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 応答 / 人類学 / 公共性 / 社会連携 / 喫緊課題 / コミットメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、応答の人類学の理論化という 大きな課題を研究していく組織的な中期計画の準備段階として位置づけられるため、初年度(平成26年度)は、メンバー間で基本概念の整理および体系化の手掛かりを得るべく、計画に沿って6回の公開研究会および、必要に応じて打ち合わせ会合を開催した。 なお、研究会開催内容は以下のとおりである(本研究組織の母体である日本文化人類学会課題研究懇談会(H24-)では第13回~18回だが新たにカウントする)。 ◆第1回(2014年5月16日)「幕張会議室」中会議室、参加者: 約25名「人種主義再燃の同時代における文化人類学の役割」◆第2回(2014年7月25日)愛知県立大学サテライトキャンパス、参加者: 約15名「文化の<相互翻訳>に向けて~調査・支援・日常から、「隣人としての外国人」を考える」◆第3回(2014年9月27日)京都大学東南アジア研究所・稲盛財団記念館、参加者: 12名「フィールドにおける<応答>のゆくえ」◆第4回(2014年10月25日)基山町民会館、参加者: 約40名 九州人類学会オータムセミナー・セッションAとして、九州人類学研究会とともに主催「ホームでの/民族誌としての応答」◆第5回(2015年1月30日)早稲田大学西早稲田キャンパス、参加者: 12名「人類学教育を通して社会に応答する―時代のなかの人類学」◆第6回(2015年2月8日)国立民族学博物館、参加者: 12名「公開書評会『公共人類学』:著者と読者の対話」 このほか、メンバー連絡用のメーリングリスト、対外的な成果発信のためのウェブサイトを活用し、成果の共有に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
限られた資金のもとで6回の研究会を開催し、議論を通じて、地域やテーマを越えた「応答」をめぐる一般性の高いコンセプトの抽出に向けて、(1)フィールドにおける応答、(2)ホームにおける/民族誌としての応答、(3)教育における応答、という3つの論点へと切り口を絞ることが出来た。特に近現代史における文化人類学の応答の歴史を系譜化する作業に着手できたことで、上述の論点(3)の学術的、社会的意義を確認するに至った。 また、本研究の組織母体としてより広いメンバー構成から成る文化人類学会課題研究懇談会では、段階的な成果発信の一環として、同懇談会の最終年度となるH27年度中に、成果出版の企画具体化を進める運びとなった。 これら議論をもとに中期的な研究事業の企画に着手し、H27年度基盤研究A(海外学術調査)「同時代の喫緊課題への<応答>と文化人類学の再想像=創造」申請を行った。結果は不採択であったが、H27年度に予定している事業申請に向けて、具体的な足がかりを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に基づき、公開研究会および打ち合わせ会合を開催する。 初年度の研究活動により示された、上述の3つの論点を素案として、応答の人類学の理論化に向けて、より明確なメンバーシップのもとで、<応答>概念や 術語を検討する総合討論を行い、H28年度以降の中期計画を立案する。
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Causes of Carryover |
計画されていた研究会はすべて開催されたが、計上されていた地方での研究会開催時の宿泊費等が、日帰り可能で不要となったり、必要最低限度の旅費を中心に支出することで、残高が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
各研究分担者の管理のもと、学会発表及び研究会参加旅費に使用することにくわえ、より精密な議事録を効率的に蓄積すべく、一部を議事録作成委託費として活用予定である。
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Research Products
(13 results)