2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26590114
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
巻 康弘 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (80614651)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | OSCE / 試験項目 / 実習前評価システム / 相談援助実習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、相談援助実習におけるOSCEの開発とOSCEの活用の教育効果の検証を目的としている。 当該年度は、これまでのOSCE試験項目の開発と実施を踏まえ、さらに、相談援助実習におけるOSCEとしての3つの試験項目(①インテーク面接、②アセスメント報告、③実習日誌記載・提出)に改良を加えた。OSCE試験項目の改良・開発にあたっては、昨年までの研究結果をもとに、3つの試験項目のうち「アセスメント報告」の評価項目のうち、「客観的ニーズ判断」の中で、何を優先順位を高いものとして判断したかを問う項目の追加を行った。また、「インテーク面接」の評価項目に含まれる要素を示した評価上のポイントのの改良により、面接導入部の簡素化をはかり面接技法の活用にあてられる試験時間が長くなることを意図する改良を行った。 これらの改良したOSCEを、2016年度OSCEとして、相談援助実習(科目名:ソーシャルワーク実習)履修学生に対して実施し全員が基準達成した。 実施にあたっては、OSCE評価にあたっての信頼性を担保していくための方策としての事前模擬評価を実施した。これらのOSCE実施後に学生・評価者調査を行い、これまで同様肯定的評価を得られた。加えて、OSCE企画・運営は、多くの人手と共通認識づくりが重要であるため、OSCEを企画・運営手順についての事前準備内容の変遷についてもまとめた。 また、OSCE結果の教育的活用として、実習前に行われる実習担当者打ち合わせ会において、OSCE実施結果(評価表・DVD)を実習指導者に学生の到達状況確認資料としての情報開示した。この提供した情報の活用状況についての調査により、OSCE結果を活用している実習指導者が、個別実習体験検討の際の体験内容の検討にあたって活用していることが示唆される結果が得られた。さらに、相談援助実習での実習体験内容に関する学生調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OSCE試験項目における課題を改良し、この改良に合わせた試験問題の作成を実施した。さらには、客観的評価にあたって重要となる事前模擬評価を実施し、評価者による評価の差異の生じた点を論点として評価の考え方や基準認識の統一をはかった。これらのOSCE開発における重要要素を優先的に実施したことから、当初予定していた実習指導者へのインタビュー調査や実習指導者向け研修は実施しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのOSCE開発を踏まえ、2017年度ソーシャルワーク実習履修学生に対しOSCEを実施し学生・評価者調査を行う。 併せて、事前模擬評価を5件法での評価表により実施し、差異が生じやすい項目を明らかにするとともに、評価にあたっての考え方の統一と評価水準認識の標準化に向けた取り組みを実施する。 今年度の取り組みに加え、これまでの研究成果を合わせ、本研究のまとめを行う。
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Causes of Carryover |
OSCE実施にかかる運営負担が大きく、調査データ等の集計・分析に費やす時間を得ること等に、想定以上の時間を要した。 また、本研究の成果をより良いものにする為に、評価項目毎の評価段階をこれまでの3件法に加え、5件法でのデータをもとにOSCE開発における評価項目と評価段階を検討することが必要であると考えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度ソーシャルワーク実習OSCEの実施と、学生・評価者調査を行う。また、これまで得られたデータの集計や分析を行うとともに、本研究のまとめと報告を行う。
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