2016 Fiscal Year Annual Research Report
The relevance between depressive tendency and onomatopoeic epression
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26590160
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小田 真二 九州大学, 基幹教育院, 講師 (60618073)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オノマトペ / 抑うつ改善 / 情動処理 / 五感 / マインドフルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心理学実験及び模擬カウンセリングにより、五感を音声的に惹起しやすいオノマトペ表現の抑うつ改善効果を検証することである。 最終年度は、実験Ⅱ及び模擬カウンセリングを実施した。実験Ⅱでは、先行研究(大芦他, 1992)のフォーマットを用いて参加者を抑うつ状態に誘導後、課題に対する印象陳述を、オノマトペ表現で行う群(10名)とSD法による群(8名)とに無作為に分け、課題のpre-postでストレス指標である唾液アミラーゼ活性の違いを検証した。結果、統計的有意差は認められなかった(F(1,16)=.335, n.s.)。両群の感情体験の質を精査するため、印象陳述をテキストマイニングにより解析した結果、オノマトペ群の方が産出した感情カテゴリー数は有意に多く(t(16)=2.64, p<.05)、感情処理が促進された可能性が示唆された。続く、模擬カウンセリングでは、参加者に最近1ヶ月での抑うつエピソードを求め、カウンセラーによるオノマトペ促進的応答と通常応答とで抑うつ改善効果に違いがみられるか、唾液アミラーゼ活性と主観的セッション評価(桂川他, 2013)を用いて検証したが、統計的に有意な結果は得られなかった。その後、感情体験の質を精査するため、テキストマイニングにより感情カテゴリーを抽出した結果、両群で感情カテゴリー数に有意差はなかった一方、オノマトペ群においてのみ感情カテゴリー数とセッション評価が有意な正の相関を示し(r=.64~.76, すべてp<.05)、オノマトペ促進的応答はカウンセラー-クライエント間の情緒的交流を促進する可能性が示唆された。 以上、本研究によりオノマトペ表現の抑うつ改善効果が一定程度認められた。これまで臨床心理学において殆ど取り上げられて来なかったオノマトペ表現の臨床的効果を定量的に検討できた意味は大きく、萌芽研究としての意義を認める。
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Research Products
(1 results)