2014 Fiscal Year Research-status Report
地域における〈学び〉を記述分析する質的研究の構築 ―社会教育研究の継承と革新―
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26590185
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
安藤 耕己 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (30375448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 大 弘前大学, 教育学部, 講師 (50550175)
添田 祥史 福岡大学, 人文学部, 准教授 (80531087)
藤田 美佳 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (90449364)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会教育 / ナラティヴアプローチ / ライフヒストリー / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は定例研究会を計4回開催した。第1回は2014年4月20日(於:筑波大学東京キャンパス文京校舎)、第2回は7月6日(於:福岡市箱崎公民館)、第3回は2015年2月1日(於:大阪府立男女共同参画・青少年センター)、第4回は3月5日(於:神戸大学発達科学部)であった。続いて、日本社会教育学会六月集会(6月7日、8日 於:神奈川大学)においては、7日にシンポジウム「社会教育研究における方法論の位置―『量』対『質』の議論を超えて―」を開催したほか、同集会では8日にラウンドテーブルも主催した。さらに日本社会教育学会第61回研究大会(9月26日-28日、於:福井大学)において、28日にシンポジウム「社会教育実践における〈ことば〉とその力動性」を開催したほか、同日にラウンドテーブルを主催した。さらに、2014年12月4日にフランス・リール第3大学を会場に開催された「第6回ライフヒストリー研究日仏国際シンポジウム」には研究代表者の安藤および研究分担者の松本が発表を行った。 4回の研究会およびシンポジウム等では、主に以下の4点が確認された。1)欧米での成人学習におけるナラティヴアプローチの到達点、2)言語的実践である社会教育実践における〈ことば〉の生成とその実践における作用、3)戦後社会教育論と質的研究法を用いる現在の議論との継承と断絶について、4)歴史研究や職員の力量形成過程分析におけるライフヒストリー研究の可能性、についてである。 これらのことは本研究の目的として挙げた、今日的な社会・人文科学における質的研究の潮流の中に社会教育研究を位置づけ相対化する営みとして、さらに学界において団塊世代以上の研究蓄積と団塊ジュニア世代以降の中堅・若手研究者の持つ方法的関心とを結びつける試みとして相応の意義を持つことが、研究会・シンポジウムの参加者数およびそこでの議論の深化からも確認されたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開催するシンポジウムや研究会への参加者数とそこでの議論の深化において、上記の評価ができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度も定例研究会を5回実施予定である。なお、国内の研究者・実践者によりアピールすべく、本年度は北海道でも研究会を開催する。日本社会教育学会六月集会、日本社会教育学会第62回研究大会では、昨年度同様にシンポジウムおよびラウンドテーブルを開催する。本年度は上記研究会とシンポジウムを通し、社会教育研究において方法論を問う意味を、社会教育研究そのもののミッションの問い直しとして問いかける。その際には、アカデミズムの議論と現場とを架橋し、かつその実践を豊潤とすべく、質的研究、ナラティヴアプローチを切り口とした議論を喚起していく。
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Causes of Carryover |
出張旅費計算の遅れにより、予算残高の確認が遅れたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の旅費として充当する予定である。
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Research Products
(11 results)