2015 Fiscal Year Research-status Report
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26590201
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Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
梶山 雅史 岐阜女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60066347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 晃 岐阜女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00387458)
板橋 孝幸 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (00447210)
須田 将司 東洋大学, 文学部, 准教授 (00549678)
清水 禎文 東北大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (20235675)
佐藤 高樹 帝京大学, 文学部, 講師 (20549711)
大迫 章史 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (60382686)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育学 / 教育史 / 地域教育研究組織 / 地方教育会 / 学力向上 / 教育文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
学力向上の背景要因としては、さまざまな要因が考えられる。本研究においては、その一要因として教師の力量形成を組織的かつ継続的に促していく地域の教育研究組織に注目し、地域教育研究組織の歴史的形成過程を分析し、その構造が地域の教育文化を下支えしていることを明らかにすることを目的とする。この目的を達成するため、①岐阜県、②福井県、③秋田県、④群馬県、⑤宮城県を対象として取り上げ、探索的な調査研究を行っている。 本年度の主な研究実績として、秋田県の調査研究の概要を述べる。昨年度、秋田県において戦後に発足した秋田県教育協議会の現状について資料収集を行った。今年度は、昨年度の資料分析を進める中で、1960年代に地域の教育研究組織に転換があったことを確認することができた。つまり、1950年代の全国一斉学力テストの結果を踏まえて1960年代に全県的な学力向上対策が採られたこと、その際、県と各地域の校長会、そして学校とが連携しつつ、地域に根ざした教師による教育研究組織が構築された事実を確認することができた。より具体的な研究成果として、秋田県における各地域の校長会関係資料を発見し、その資料目録の作成に着手し、同時にその記事分析を進めている。 秋田県については本研究組織全体で取り組んでいる。秋田県の事例研究を通じて、研究代表者および研究分担者が担当する各県における地域教育研究組織の歴史的な分析を進めるための研究の視点、資料集積・研究手法、目録作成などの基礎作業について、共通の視点を確保することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、地域の教育文化を支える地域教育研究組織が各地に存在すること、そしてこれらの組織が戦前の地方教育会と類似した組織形態を持ち、類似した研究活動を行っていることを確認した。今年度は、地域教育研究組織が全国一斉学力テストを期に、全県的な組織に改編され、実際に機能していく事例(秋田県)と緩やかな形での連携に留まる事例(宮城県)とがあることを確認することができた。秋田県の場合、1964年に秋田県教育研究会が発足し、その研究活動として小・中学校校長会と教頭会が連携し『研究紀要』を着実に刊行していた。さらに各郡市レベルの校長会が独自に「紀要」を編集刊行しており、 これらの資料の複写・撮影をすすめ、内容分析に取り組んでいる。県校長会大会シンポジウムや各郡市研修部の特色ある活動が見えてくる。校長会の組織と機能に注目することにより、1960年以降の動きを、より実態的に解明できることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の調査結果を踏まえ、校長会の動向に焦点を当てることにより、学力向上を支える地域の教育文化、教員の教育研究活動の方向性、質を明らかにすることができる見込みが立った。資料の調っている秋田県を中心として、対象とする各県の教育文化をさらに精度を高めて探ることとしたい。
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Causes of Carryover |
本研究課題は、基盤研究(B)の研究課題と部分的に重複するものであり、またこれによって研究成果の相乗効果を目指している。基盤研究(B)の研究費も合わせて節約しつつ、有効に研究を進めたため若干の未使用金が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の経費と合わせて、有効に使用する。
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Research Products
(9 results)