2016 Fiscal Year Research-status Report
キャンパス内の国際的人材育成プログラムの効果の検証と卒業生の活用に関する研究
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26590213
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河合 成雄 神戸大学, 国際教育総合センター, 教授 (60294245)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際教育 / 人材育成 / 気づき / 振り返り / 社会人による教育 / ルーブリック評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者の所属する大学での20年以上に及ぶ「国際学生交流シンポジウム」の参加者を主に研究対象として実施してきている。平成27年度までに実施した、かつての参加者に対する追跡調査をもとに、平成28年度は、卒業生をリソースとして、現在の学生たちの国際教育に活かす試みを中心に研究を実施した。実際にシンポジウム当日に卒業生に参加してもらって、卒業生や28年度の参加者ともにインタビュー等を行ったが、シンポジウムの事前教育から卒業生を活用してみたほうがよいということが明らかになってきた。現在の学生の教育に、社会人に参加してもらうことは、いわゆる大学の教育者である教員と学生の関係では得られない「気づき」があり「ふりかえり」も多様性に富み、豊かになることが判明しており、その有効性を具体的に論証できる段階にある。しかしながら、もう1年延長して、国際教育プログラムの事前教育の部分に焦点をあててさらに研究を深める予定である。 上記の具体的な面に加えて、理論面において、評価方法についても研究を行ってきている。卒業生を活用した国際教育については、評価方法そのものの開発も問われる段階であると思われる。国際教育プログラムの評価には、プログラムそのもの対するものと個々の学習者んみ対するものに大きく分けられるが、後者については、Can do statementのような主観的な伸び率によるものではなく、より客観視できる指標を目指し、ダルラ・ディアドルフによる評価方法等を取り入れることに取り組んできている。以上の理論的な点についても論文にまとめつつある。 さらには現在、研究上派生してきた課題として一点あげる。10年、20年前の教育においてはルーブリック評価等は使われていなかったのであるが、現在の学生の指導において、前世代が教える際にその教育方法のギャップをどう埋めるのがいいのかという課題が出てきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたことと重複するが、国際教育プログラムに参加した、卒業生へのアンケート、インタビューは概ね順調に進んだのであるが、いざ社会人を教育の場面で生かす段階になって、もっと工夫が必要になることが判明してきた。すなわち、平成28年度の国際学生交流シンポジウムにおいてはシンポジウム当日の場面での社会人の活用が主体であっったが、29年度においては、事前教育のプログラムに焦点をあてて、28年度までの研究を補強してから研究成果発表に移りたいと考えている。研究としては、事前教育に焦点が移ったため、時間的に遡れずに、もう一年延長して研究を深める次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに実施してきた、国際教育プログラムを経験した社会人に対するアンケート、及びインタビューの調査を論文にまとめる。 その一方で、国際教育プログラムでの社会人活用の方法をさらに改善しつつ、その結果を分析し、報告することにする。具体的には、「神戸大学国際学生交流シンポジウム」の実行委員に対しての事前教育を、社会人をリソースとして利用しながら実施する予定である。こちらの成果について報告書をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
本来、アンケート集計等、データ整理を予定したが、インタビューを多くしたため不要になったため、人件費に余剰が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究は卒業生を活用しての人材育成であるが、平成28年度までの研究に補足的に卒業生を招聘しての教育を実施し、旅費及び会議費を主に予定している。
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