2014 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害者の職業教育におけるリアルタイム実技指導の有効性の検討とその展望
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26590254
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
緒方 昭広 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (80516708)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 押手 / 切皮痛 / タクタイルセンサー / 圧力分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
押手圧の圧力分布を解析し、学習過程のより早い段階で、切皮痛の少ないまたは切皮痛のない指導法を確立するため、以下の実験を行った。 【対象】同意が得られた者のみを対象とした。1)熟練者の押手圧力分布の測定3名、2)鍼灸学専攻1年修了者の押手圧力分布の測定3名【方法】1.押手圧の評価:タクタイルセンサシステム(圧力分布測定システム)を用いて、押手全体の面圧力分布を測定した。測定はベッドの高さを3段階に変えて実施し、すべて鍼管をシートの上に立て、切皮と同様に鍼管の頂点を被験者が通常行っている切皮のようにタッピングさせた。そのときの押手の動揺を観察した。また同時に、押手の上肢の肩関節、肘関節の角度を測定した。 2.切皮痛の評価:対象者のすべてに、研究代表者の下腿後側の3カ所に実際の切皮を行わせ、1)痛み無し、2)少し痛い、3)痛い の3段階で切皮痛の程度を評価した。 3,使用する鍼:ディスポーサブル鍼灸針、ステンレス製(セイリン社製)、50㎜、18号針を用いた【結果】熟練者は、1)中指の圧が高い。2)手根部を付ける例と付けない例が見られた。3)いずれも3回の刺針時の切皮痛はなかった。4)座位の姿勢は、直立であった。5)押手の重心位置は、1例は中指の近くにあり、ベッドの高さを変えてもその位置はほとんど変化しなかったが、他の1例はベッドの高位が最適の場合は中央に、それより5㎝高くした場合は、中指の近くに、逆に5㎝低くした場合は、手根部に近く移動するパターンがみられた。6)初心者は、押手の重心位置が手根部に近く、拇指の面圧力が高い傾向が見られた。【考察】1、熟練者3人とも重心位置が異なる。中指近く、ベッドの上下で変化、ベッドの高低にかかわらず、手根部近くにある。これは、各被験者によって、押手の安定度を高めるために、重心位置が変わる者と、変化しないで一定の者があることを示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、鍼灸臨床に携わっている10年以上の熟練者の確保に時間がかかり、当初の目標人数20名の被験者を確保ができていない。平成27年度の早期に7~8例を確保する予定でさる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、熟練者の押手の圧力分布と関節角度などを分析して、熟練者から得られた圧力分布を導き出し、見本となる圧力分のスタンダードパターンを作成する。それを元に、学生の各学年段階のデータを収集していく
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Causes of Carryover |
物品の一部(ブラダ~テスタ、コンプレッサ)(350,000)の購入が遅れたため。また、被験者の謝金の一部が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度分と合わせて、タクタイルセンサシステムの部品であるブラダ~テスタとコンプレッサの購入費、被験者謝金、学会参加費に使用する予定でアル。
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