2014 Fiscal Year Research-status Report
パーシステントトポロジーと逆問題:タンパク質の構造・機能解析における新手法の確立
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26610042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平岡 裕章 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (10432709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 俊輔 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90203116)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パーシステント写像 / 特異点 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,ユークリッド空間内の有限点列 Q に対して,アルファ複体とヴィートリスリップス複体を用いたパーシステント写像の well-defined 性と,その可微分構造について研究を実施した.まずパーシステント写像の well-defined 性については,写像自体の well-defined 性は単因子の一意性から容易に従う.一方で,その微分についての一意性は,一般には成立せず,アルゴリズムの選択に微分写像は依存する.しかしながら,入力データに適当な「一般の位置」の仮定を置くことで,微分写像の一意性についても,示すことができた.また,比較的単純な点列配置を用いて,写像の特異点と一般化ニュートン法の非収束点の関係解明にも着手した.例えば,3次元空間内の4点からなる例題では,正四面体構造がパーシステント写像の境界を与え,そこから四面体を歪ませる方向に追跡が可能であることが確かめられた.その際,徐々に対称性を落としながら歪んでいくことになるが,それぞれの対称性が壊れていく段階で,ニュートン法の収束が段階的に改善されることも確かめられた.さらに,相似変形に対応する変形はパーシステト図内では,対称性を崩す方向と横断的に交わる直線として与えられることも明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目的はパーシステント写像とその微分の一意性をしらべること,および特異点やターゲット空間の境界を調査することであった.これらの課題については,順調に研究が進められた.
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Strategy for Future Research Activity |
理論整備がある程度進んだ段階で,早めに数値計算コードの開発に取り組む.これにより,これまで明らかにされていなかった,理論的側面が浮き彫りになることも考えられる.また,それらの数値計算コードの高速化にも務める.
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Causes of Carryover |
6730円の残額を来年度に有効利用しようと判断した為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
6730円の残額を来年度の旅費に組み込んで使用する。
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