2014 Fiscal Year Research-status Report
光学的手法による仮設足場を設置しない低コストな海洋渡海橋の外観点検システムの開発
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26630214
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松田 浩 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20157324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 裕 清水建設株式会社技術研究所, インフラ再生プロジェクト, 研究員 (00443747)
出水 享 長崎大学, 工学研究科, 技術職員 (00533308)
森田 千尋 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (60230124)
西川 貴文 長崎大学, 工学研究科, 助教 (50512076)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中小スパン橋梁 / 仮設足場を設置しない / 海洋渡海橋 / 外観点検システム / 3Dデジタル写真測量 / デジカメたわみ計測 / UAV / ギガピクセル画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで開発してきた光計測手法を橋梁点検に特化した計測法の開発を進めるとともに、フィールド実証実験を実施し、橋梁点検用光計測システムの構築を目標として研究を進めた。平成26年度の研究実績の概要を以下に示す。 (1)デジタルカメラを用いたデジタル写真による橋梁のたわみ計測:橋梁のたわみを定期点検レベルで実施できる計測法とするために、簡易で安価な計測システムを開発することを目標とする。本計測システムは、デジタルカメラで橋梁の桁側面のたわみを撮影し、桁の変形前後の画像からデジタル画像処理技術により解析し変位を求めるものである。 (2)デジタル写真測量による橋梁の3D計測システムの開発:デジタルカメラで撮影した画像を用いて、コンクリート橋の3D化を行った。既存橋梁構造物の性能照査を行う際に、橋梁の事前調査で竣工図書がない場合には復元設計をする必要があるが、この技術が確立されれば容易に復元設計を行うことができ、既設橋梁構造物の性能照査を比較的容易に行うことができる。 (3)遠望撮影デジタル画像からの外観劣化情報の取得:遠望からのコンクリート橋のひび割れ幅や鋼橋のボルト接合部の状況把握は重要な検査項目である。コンクリートのひび割れはクラックスケール内蔵測量器や望遠拡大画像を取得する手法などが用いられてきたが、前者は画像を記録できず,広範囲計測には作業効率が劣り、また、後者はその位置特定に労力を必要とし、対象物近傍に基準スケールを貼りこの画像を基にひび割れ幅を算出する。コンクリートひび割れ画像の濃淡分布に着目し,ひび割れ図化システムを構築するとともに、実証試験により有効性と有用性を検証する。また、鋼橋のボルト接合部や塗料・塗膜劣化状況の把握するための実証実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも記載したように、研究目的に挙げている以下の項目が達成できた。 ①デジタルカメラを用いたデジタル写真による橋梁のたわみ計測が、従来型の変位計と同等の精度で計測できることを確認した。 ②3Dレーザスキャナと無人飛行機(UAV)と全方位カメラによる計測システムの代わりに、デジタル3D写真測量により橋梁の3D化ができることを顕彰した。 ③自動撮影雲台を使用したギガピクセル画像自動合成法、および遠望撮影デジタル画像からの、コンクリートひび割れ幅や鋼部材の塗膜劣化や錆などの外観劣化情報を取得できることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実施した光学的手法による研究課題の課題や問題点を抽出し、その解決に向けて検討するとともに、個々の計測法の統合化を図り光学的手法による橋梁点検フローを構築し、海洋渡海橋点検システムの標準化とマニュアル化を図る。併せて、昨年度実施した計測法のさらなるフィールド実証試験を繰り返すとともに、使い勝手や精度向上を図る。
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Causes of Carryover |
当初、予定していたSmart 3D Capture Scannerを別途研究予算で購入することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Smart 3D Capture Scannerを別途研究予算で購入することにしたのに伴い、平成27年度に必要なフィールド実験のための物品費や成果発表旅費に計上する。
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