2014 Fiscal Year Research-status Report
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26630227
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 弘誠 京都大学, 防災研究所, 特定助教 (90551383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 実 京都大学, 防災研究所, 特定准教授 (60578954)
本間 基寛 京都大学, 防災研究所, 特定助教 (80643212)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 豪雨 / 雨音 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、主に、雨の音色を工学的に計測し、モデル化することで、雨の音色と従来の降雨情報の関係性を明らかにした。 1)雨の音色、および従来の降雨情報の観測: 雨の音色を工学的に計測する。観測サイトである京都大学防災研究所屋上に設置してある既存の測器群を用いて、雨滴一粒ごとの粒径と落下速度、風速、降雨強度をそれぞれ計測した。加えて、H26年度は試験的に一般的な集音装置を用いて雨音を記録し、H27年度に購入すべき音響装置の検討を実施した。 2)雨の音色と従来の降雨情報との関係性の解明: 上記の観測データを用いて、従来の降雨情報の関係性の何が周波数に影響するかについて、基礎解析を行った。その結果、雨滴の粒径の代表粒径(中心値)と雨音の強度に強い相関が見られた。また、雨音のモデル化に関して、基礎開発を実施し、モデル検証の足がかりを導いた。 次年度以降には、モデル開発に加えて、アンケートによって、心地よい豪雨の雨音を模索し、雨の音色の科学を創出する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた高額の音響装置を用いていないものの、代替に用いた一般的な集音装置を用いても観測に支障が無かっただけで無く、今年度の観測結果を踏まえて来年度にはより研究目的に合致した高額の音響装置を購入することができ、今後の観測の幅が広がった。また、雨音と雨滴粒径の関係性を導いけたことは成果である。 以上の理由により、計画通りおおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
雨音モデルの検証を実施する。 どのような雨の音色が心地よいのか、もしくは心地悪いのかを検証する。 防災情報として雨の音色を活用できるかどうか模索し、雨の音色の科学を創出する。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた高額の音響装置を導入する前に、一般的な集音装置で観測を実施したところ、思いの外に目的に合致した雨音に関する検討が可能であった。さらに、詳細な検討を行い、測器業者とも打ち合わせを行い、次年度に研究目的をより深化させる形で様々な項目を計測できる音響装置を購入できると判断し、次年度の夏季の強雨事例を計測するべきと考えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
夏季の豪雨の前に、高性能の音響計測装置を購入し、雨音に関する計画時よりも高度な観測を実施する。 残額は音響計測装置以外に当初計画していた程度の額であり、計画しているアンケート調査費用や成果発表や調査観測用の旅費などとして使用する。
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Research Products
(5 results)