2015 Fiscal Year Research-status Report
渦励振ロックイン領域同定のためのクロスフロー・インライン間連成運動モデルの構築
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26630459
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶原 宏之 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30114862)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | internal flow effect / vortex-induced vibration / cantileverd pipe / cross-flow motion / inline motion / rock-in region / van der Pol oscilator / mass ratio |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「内部流体の移動を伴う水中線状構造物の渦励振の数式モデルの構築」の第2年度は、国際学会OMAE2015での発表、およびその発表論文をジャーナル化することに時間を割いた。これまで2回の査読を受け、かなりの検討を行ったが、まだ採択には至っていない。 OMAE2015での発表の骨子は次の通りである。 本研究では、流れ場に置かれた片支持管が内部流体を噴出する場合、その内部流体が渦励振にどのような影響を与えるかについて調べた。まず、修正ハミルトン原理に基づいて、片支持管の3次元数式モデルを導出した。そこでは、非保存的内部流体影響については下端での仮想運動量移送による仮想仕事によって考慮され、また渦励振影響については2つのファン・デア・ポール振動モデルを使って生成した。この数式モデルに基づいて開発したシミュレ-タの妥当性を、文献で公開されている2種類の実験データを用いて、非保存的内部流体影響と渦励振影響をそれぞれ再現できることから確認した。そして、内部流体を噴出する流れ場で、梁またはケーブルとみなされる片支持管の運動を、内部流体と外部流体の速度を変えながら、特に管の下端の運動の時刻歴を調べた。その結果、梁とみなされる片支持管の場合、非保存的内部流体影響において遠心ポンプ機構が支配的であり、渦励振ロックイン領域にトラップされないように内部流体速度を調整できることを明らかにした。一方、ケーブルとみなされる片支持管の場合、非保存的内部流体影響において遠心ポンプ機構と半径流タービン機構の両方が支配的であり得る。したがって、内部流体速度によっては、片支持管の固有モードが励起または抑制され、これらに対応して渦励振ロックイン領域に出入りすることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際学会発表論文の内容をジャーナル化に集中しなければならず、検証実験準備が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度第1四半期で検証実験の計画を行い、第2四半期で検証実験を実施し、モデルの検証を行う。また第3四半期で制御系設計を行い、第4四半期でその有効性をシミュレーションにより検討する。
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Causes of Carryover |
実験のベースとなる理論をジャーナルに掲載するために時間を要し、当初計画の実験装置の設計が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度(H28年度)に実験を実施する予定であり、繰り越し分はここで使用する。
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Research Products
(1 results)