2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26630466
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
糸井 龍一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50108768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 裕二 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00150524)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地熱 / 風力 / ハイブリッド発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ソーラータワーの熱源として地熱エネルギーを利用する新たな発電システムの開発を目指している。まず、熱水を熱源として用いるソーラータワーの小型模型を作製し、本模型を用いた室内実験を行った。実験では、タワー内の風速とタワー下部の温度と外気温を用いて表される無次元温度との関係を求め、タワー内での上昇気流の発生の有無、熱源温度が上昇気流速度に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 実験装置は上昇気流発生のための熱源として熱水を直接利用するオープンシステムとなっており、タワー、熱水タンク、ヒーター、熱源となる熱水を貯留する円筒型プール、ポンプ、風速計、温度計、熱水流量測定装置で構成される。タワーは、高さ2m、開き角4°のディフィーザー型である。プールは二重構造を有し、内側および外側のプールの直径はそれぞれ600mm、700mmで、タワー下部に設置されている。タンクから内側のプールへ熱水をポンプによって揚水し、内側のプールから外側のプールへ越流する。熱水は外側のプールにある二つの排出口から自然流下でタンクに戻り、タンクとプール間を循環する。実験ではタンク内の水道水をヒーターで加熱した。タンクからプールへ流量6L/minで熱水を揚水し、プール内の熱水温度を目標温度(50℃、60℃、70℃、80℃、90℃)に安定させた。その後、外気温、プール内の熱水温度(熱源温度)、プール水面から20mmの高さのタワー下部温度、プール水面から380mmの高さの風速(タワー内風速)を10分間測定した。タワーがない状態で熱源温度61.8℃の条件で風速を測定したところ、平均風速は0.445m/sが得られた。同様の条件でタワーを設置した場合、平均風速1.16m/sであった。このことから熱水を熱源とした場合でもタワー内に上昇気流が発生することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
室内実験装置を作成、完成することができた。さらに、本装置を用い熱水プールの温度、熱水流量がタワー内風速に及ぼす影響を室内実験により定量的に把握することができた。また、室内実験装置を対象とした数値シミュレーションを行うための基礎的なデータの取得が可能であることを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)タワー下部に風力タービンを設置し、熱源温度とタービン出力の関係を明らかにする室内実験を行う。 2)プール上面にタービンを設置するための台(平板)が熱源からの上昇流を阻害する構造となっているので、平板を多孔質あるいはハニカム構造の平板で代替する様な装置の改造を行う。 3)実験装置をモデル化した数値モデルを作成し、数値シミュレーションを行う。これを用いて、プールの熱源温度、外気温がタワー内流速に及ぼす影響を定量的に評価する。さらに、プール直径が上昇流速に及ぼす影響を評価し、プール改造のための資料を作成する。
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