2014 Fiscal Year Research-status Report
ルートフェノミクス :ビッグデータを活用した新しい根系解析手法の開発
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26660012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田島 亮介 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60530144)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 根系 / フェノタイピング / モニタリング / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
作物の根系は複雑で評価が難しいため,これまでの研究で多くの有用な形質が見過ごされている可能性がある.このような見過ごされた根系の形質を発見・評価するためには,植物の発育に伴って変化する根系の形質をなるべく多く高効率に得て,それを全体として評価することが重要である.そこで本研究では,作物の根系を画像解析の手法を用いて高精度かつ高効率に解析する技術を開発し,それを利用して作物根系の大量のデータを取得して,そのデータを総合的に解析することを目的とする.本年度はデータ取得に適した作物栽培装置の検討,時系列で根系画像を取得するシステム,データ化した情報全体を評価するための「モデル」について検討をおこなった. そのためにまず,1本の根(個根)についてモデル化を試みた.個根は発根時に伸長速度,直径,屈性のパラメータを持つように設定し,これらのパラメータは発育に従って更新されていくものとした.側根形成については,側根の出現時期と側根の発根間隔をパラメータとし,作物の発育ステージ後半における根の伸長の停止や枯死の時期についてもパラメータとして加えた.また,種子根および節根から発生する側根も,親根と同様にパラメータを持つように設定した.さらにイネ科の場合は発育に従って新しい根(節根)が形成されていく.この複数の節根の発根時期と発生時の根の鉛直方向および放射方向の角度をデータとして与えることで,仮想的に根系が形成されるようにモデル化した.このモデルを発展させて,実測データと組み合わせることで,発育に応じた根系形成を検討する基盤ができると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は1.画像解析用の根系画像取得に適した作物栽培装置,2.時系列で根系画像を取得して蓄積するプログラム,3.取得した画像から根系の様々な形質をデータ化するプログラムの開発をおこない,4.データ化した形質の情報と作物の生育や栄養状態と関連づけて考察する,5.単子葉植物のイネと双子葉植物のダイズの遺伝解析用系統群を栽培して解析をおこなう.の5つの課題に分けられるが,5以外は一定の目処がついているから.
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Strategy for Future Research Activity |
5番目の課題,5.単子葉植物のイネと双子葉植物のダイズの遺伝解析用系統群を栽培して解析をおこなって,それ以外の部分も含めて随時成果発表をおこなう.
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Causes of Carryover |
本年度はシステムの試作をおこない、次年度に実システムを動かすことにしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実システムを動かす
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