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2014 Fiscal Year Research-status Report

毛色変異の適応的意義-国後島・択捉島のみに生息する白いヒグマによる検証の試み-

Research Project

Project/Area Number 26660130
Research InstitutionRakuno Gakuen University

Principal Investigator

佐藤 喜和  酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (60366622)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywordsヒグマ / 毛色多型 / 行動 / 北方領土
Outline of Annual Research Achievements

先行研究により,国後島・択捉島には,前足の先から胸,顔,肩,胴にかけて白い毛に覆われ,下半身は灰色~茶色をしたヒグマ(イニンカリグマ)が生息していること,こうした毛色パタンは世界でも観察例がなく,両島にだけ生息すること,少なくとも100年以上前から観察例があることを明らかにした。イニンカリグマの観察頻度が近年増加しているという聞き取り調査結果に注目し,通常の茶色いヒグマに比べ,イニンカリグマの毛色パタンには夏から秋にかけての主要採餌資源であるサケ類を捕獲する際にサケ類から発見されにくいという適応的な意義があるとの仮説を立てそれを検証することを究極の目的とし,これを明らかにするための足がかりを得ることを目的として研究を行った。平成26年度は,国後島北部に位置する自然保護区内において現地調査を行い,生体捕獲や生物試料の採取を行う予定で準備を進めた。2009年以降継続的に行ってきた研究交流により,相互の信頼関係と共同研究体制が構築され,また日露隣接地域生態系保全協力プログラムの中で,現地調査の実施についても日露双方で了承されていた。しかし,4月以降調査準備を進めるうちに,サハリン州政府の制度変更,自然保護区の署長交代などが重なり,聞き取り調査,観察調査以外の調査を実施することが困難な状況であることが判明した。そのため,平成26年度は現地調査を断念し,平成27年度の実施に向けた体制作りを中心に行った。まずロシア側の共同研究者を求めるため,アムール州ブラゴベシチェンスクの極東農業大学の野生動物学担当者に共同研究提案を持ちかけ,賛同を得た。その後,具体的な研究計画についての相談をすすめてきた。平成27年度9月に国後島における現地調査を実施し,申請者らの研究グループと,極東農業大学および自然保護区との共同研究体制による研究を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究目的を達成するために欠かせない,当初計画していた生体捕獲,生物試料採取について,地元土地管理者から実施の合意が得られなかったため,現地調査を延期した。その結果,具体的な研究を着手するまでにいたらなかった。2009年度以降継続的に構築してきた申請者らのグループと国後島自然保護区のと共同研究体制というだけでは,この課題は越えられないことが明らかになってきた。日露生態系隣接地域保全協力プログラムの日本側からの支援があっても状況は変わらなかった。今後は,ロシア科学アカデミーや大学等の研究機関等を含め形での共同研究体制構築が必要である。再度計画している研究を実施するために必要な共同研究体制構築を行うため,平成26年度は共同研究の相手を探すところから始めた。幸い,極東農業大学と共同研究体制を作ることができた。平成27年度に改めて現地調査を行い,所定の目的を達成するための準備を進めている。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度中にあらたにロシア極東農業大学と共同研究体制を構築した。これにより,共同研究者側から生体捕獲,生物試料採取に関する許可申請などが円滑に進むことが期待される。これまで,平成26年8月,平成27年2月に直接会って研究に関する話し合いを行っている。平成27年7月にも研究会議を実施し,平成27年9月に国後島における現地調査を実施する予定となっている。

Causes of Carryover

平成26年度は,計画していた調査の実施が困難であることが事前の交渉で明らかとなったため,当初予定していた現地調査を平成27年度に延期し,平成27年度の現地調査で当初計画の内容を実現するための研究再構築と交渉にあてることとしたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年度は,平成26年度に実施しなかった現地調査を実施する。そのため平成26年度に計上していた現地調査に関わる経費を平成27年度に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Comments: a study plan about comparison in biology of brown bears between continental and island populations2015

    • Author(s)
      Yoshikazu Sato
    • Organizer
      The Japan-Russia 3rd Workshop on Cooperation on the Preservation of the Ecosystem in the neighboring areas of Japan and Russia
    • Place of Presentation
      Khabarovsk Scientific Center (Khabarovsk)
    • Year and Date
      2015-02-15 – 2015-02-16
  • [Presentation] レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析による野生動物の食性解析の可能性2014

    • Author(s)
      中下留美子・大石昌弘・鈴木彌生子・小林喬子・伊藤哲治・増田 泰・大泰司紀之・佐藤喜和
    • Organizer
      日本哺乳類学会2014年度大会
    • Place of Presentation
      京都大学(京都市)
    • Year and Date
      2014-09-05 – 2014-09-07

URL: 

Published: 2016-05-27  

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