2016 Fiscal Year Annual Research Report
Rapid monitoring of harmful bacteria in aquatic environment by in liquid-fluorescence in situ hybridization
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26670062
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
山口 進康 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 総括研究員 (20252702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一條 知昭 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (20513899)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オンサイト・モニタリング / 危害微生物 / 水環境 / マイクロ流路デバイス / 蛍光 in situ ハイブリダイゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
先進国・途上国を問わず、水系感染症や食中毒が依然として大きな問題となっており、生活用水や飲食品等の衛生微生物学的安全性の確保がますます重要となっている。このため、迅速かつ簡便な危害微生物のモニタリング法が求められている。研究代表者は、これまでの研究成果をもとに、蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(fluorescence in situ hybridization;FISH)の反応をマイクロ流路デバイス上で行うことにより、水環境や飲食品中の危害微生物をその場(on-site)で数時間以内に検出できる方法の開発を目指している。本研究ではその第一歩として、溶液中でのFISH反応系(溶液中FISH法)の開発、およびマイクロ流路システムを用いた溶液中FISH試料中の危害微生物数の測定法の検討を行った。 通常のFISH法では、フィルター上に捕集した細菌を計数するため、プレパラート作製や蛍光顕微鏡操作の煩雑さが課題となっている。そこで、平成28年度は溶液中FISHを行った試料について、マイクロ流路システムを用いて、ろ過することなく細菌数を測定するための検討を行った。まず100,000 cells/mL以上の大腸菌を含む試料について、大腸菌に特異的な蛍光プローブによる溶液中FISHを行った後、マイクロ流路システムにより液中の大腸菌数を測定したところ、通常の蛍光顕微鏡法による測定値と高い相関性が見られた。さらに、より菌数の少ない試料に対しても測定を実施できるよう、手法の定量性に影響を与えない濃縮法を検討した結果、10,000 cells/mL以下の試料に対しても、マイクロ流路システムを用いて細菌数を蛍光顕微鏡と同等の精度で測定できるようになった。なお、溶液中FISH反応の開始からマイクロ流路システムによる細菌数測定値を得るまでに要した時間は、約5時間であった。
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Research Products
(2 results)